マルチスレッドアプリはHT効果も加わりさらに高速に
描画のほかに物理モデリング、AI等のスレッドが同時に走る3DMark 05(CPU)の結果は、比較対象データが2.67GHzのQX6700とはいえ、2倍近いスコアになった。メモリの強みに加え、キャッシュを4コアが共有できることが貢献しているのだろう。一部のテスト項目において、4つのタスクを同時に走らせるPCMark 05 CPUは、3GHzのQX9650比で+13%、Windows Media Encoder-Advanced Profileは+27%、Core i7のHT機能を生かし8つのレンダリングスレッドを立ち上げるCinebench 2003、同R10では+40%、+30%と、きわめて大きな性能向上が見られた。
45nmのCore 2 Quadは、デュアルコアのダイ1つあたり6MBのキャッシュを持つため、CPUトータルではキャッシュの量は12MBとなり、Core i7の3次キャッシュ(8MB)よりサイズ的には大きい。だが、1次データキャッシュのサイズは32KBと、それほど大きくはないため、CPUはしばしば2次キャッシュのお世話になる。コアが2つともアクティブな場合、2次キャッシュアクセスが競合し、片方が待たされるケースが発生してくるという問題があった。
その点Core i7では、コアごとに256KBの2次キャッシュを用意したため、競合がずっと起きにくくなったと考えられる。このことと、前述した、2次キャッシュのレイテンシの低減、さらには、HTによるスレッド数増加があいまって、多数のコアが同時に動くテストにおいて、Core i7が目を見張るような性能アップを実現したと考えられる。
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