11月18日、コードネームNehalemとして知られ、8月に正式名称がCore i7となることが発表されたインテルの次世代CPUが発表された。店頭には11月16日午前零時に並び、ローンチイベントが開催されたことは既報のとおりだ。
あのCore 2登場から2年あまり、そろそろCPUのグレードアップをお考えの方も多いだろう。Core i7でどれくらいの性能向上が図れるのかを検証してみた。
Core 2以来のアーキテクチャ変更の予定だったが……
インテルはCPUの世代交代について、「Tick-Tock(チクタク)モデル」という構想に沿って進めることをアナウンスしている。振り子が左右に振れながら時計の針(CPUの機能・性能)が進んでいく(向上していく)というイメージだ。このうち「Tick」(チク)のほうは、プロセスのもう1段の微細化、「Tock」(タク)のほうはアーキテクチャの抜本的改革により、それぞれ高性能化するという。解説ページ(http://www.intel.com/technology/tick-tock/index.htm)によると、2005年の65nmプロセスへの移行がチク、2006年のCoreマイクロアーキテクチャによる大幅な性能向上がタク、2007年の45nm化によるPenrynコアの登場(キャッシュ増大等)がチク、そして今回2008年のタクは、新アーキテクチャのNehalemコアによる性能アップ、ということになる。
前回のタク、すなわちCore 2の登場においては、クロックあたり性能が劇的に向上し、ライバルAMDのAthlon 64 X2に対して大幅なリードをもたらした。Nehalemは当初、Pentium 4の「Netburst」アーキテクチャの進化形として、ふたたび抜本的なマイクロアーキテクチャの改革がなされるとされていた。Core 2のときのような画期的な改善が見られるならすばらしいことだ。
しかし、IDFなどでの情報を見る限り、NehalemはCore 2をベースに技術を引き継いでいるようで、CPUコアの画期的な改革が行なわれたようには見えない。そもそもCore 2で実現された4命令同時解析というスペックはきわめてアグレッシブなものであり、そこを2年やそこらでさらに抜本的に改善するのが困難であることは想像に難くない。
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