インテルは18日、コード名「Nehalem」で知られる話題の新アーキテクチャーCPU「Core i7 プロセッサー」の発表会を開催した。CPUと対応マザーボードは、すでに15日から販売が開始されているが(関連記事1)、発表会ではホワイトボックス系を中心に、多数の搭載製品が発表され、高パフォーマンスを重視するユーザーにアピールする姿勢を強く打ち出した。
同日発表されたのは、Core i7/Core i7 Extremeの3製品と、対応チップセットであるIntel X58 Expressなど。いずれもすでに秋葉原のパーツショップなどでは販売されていて、特に最上位のCore i7-965 Extremeは、深夜販売で完売するほどの人気を呼んでいる。
クロック周波数 | 3次キャッシュ | QPI | TDP | 価格(1000個受注時) | |
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Core i7-965 プロセッサー Extreme | 3.20GHz | 8MB | 6.4GT/秒 | 130W | 10万2590円 |
Core i7-940 プロセッサー | 2.93GHz | 4.8GT/秒 | 5万7720円 | ||
Core i7-920 プロセッサー | 2.66GHz | 2万9170円 |
Core i7シリーズは、現在のCore 2 DuoなどCoreマイクロ・アーキテクチャー採用のCPUのコア部分を引き継ぎながら、CPU全体のアーキテクチャーを大幅に変更した新しいCPUだ。アーキテクチャーの名称については、現在はコード名をとって暫定的に「Nehalemマイクロアーキテクチャー」と呼ばれている。
主な特徴は以下の4点で、特にメモリーコントローラーの内蔵と「インテル ターボ・ブースト・テクノロジー」は、パフォーマンスの向上に大きな効果があると期待されている。なお、特徴の詳細については、関連記事2や関連記事3を参照していただきたい。
- 1ダイでクアッドコア、3次キャッシュ内蔵。HTにも対応
- ひとつのCPUダイ上に、4つのCPUコアと周辺回路を集積。各CPUコアは独立した1次(32+32KB)・2次キャッシュ(256KB)を持ち、さらに共有型の3次キャッシュを8MB内蔵する。ひとつのCPUコアで2つのスレッドを同時実行するマルチスレッド機能「ハイパースレッディング・テクノロジー」も採用する。
- メモリーコントローラーの内蔵
- 従来はチップセット側にあったメモリーコントローラーを、CPUダイ上に内蔵して高速なメモリーアクセスを実現。DDR3-1066メモリーを3チャンネル分接続可能。
- 新チップ間インターコネクトバス「QPI」
- CPUとチップセットや、CPU同士を結ぶインターコネクトバスに、新しい高速シリアルバス「QPI」(QuickPath Interconnect)を採用。
- 電力制御ユニットの改良とターボ・ブースト
- CPU内部にインテリジェントな電力制御ユニット「PCU」を搭載。きめ細かな電力制御で消費電力を削減するほか、TDPの範囲内で自動オーバークロックを行なう「ターボ・ブースト・テクノロジー」にも対応する。
発表会では、同社代表取締役社長の吉田和正氏などが、Core i7の特徴とその性能を示すプレゼンテーションが披露された。最大のセールスポイントである性能については、「その速さ、ビッグバン」というキャッチフレーズが掲げられ、ビデオエンコードやゲーム、高度なマルチタスク処理などのデモを通じて、現行のCore 2 Duo/Quadと比較しての高性能ぶりをアピールした。