c7000/c3000共通の特徴
c7000とc3000は同じ第3世代に属するエンクロージャーであり、共通する特徴も多い。
■ サーバーごとに遠隔操作が可能
サーバーに何かあるたびに、サーバーのある場所に出向いて作業をするのはセキュリティー上問題があるので、リモートからの操作はサーバーに必須の機能だ。c-Classでは、ブレードサーバーごとに離れた場所からでも操作できる仕組みがある。
管理者がサーバーを遠隔操作するには、手元のマシンのWebブラウザーを使う。OSインストール中の画面やBIOS画面、さらにはブルースクリーンの画面さえも確認できる。日本HPの木村剛氏によれば、故障したサーバーの「物理的な交換」以外はすべて遠隔操作でできるという。
またサーバーごとに遠隔操作の仕組みを持っているため、複数の管理スタッフが、複数のサーバーに同時にアクセスできるのも利点だ。
■ 情報ディスプレイの装備
c3000/c7000は「Insight Display」と呼ばれる情報ディスプレイをエンクロージャーの前部に備えている。通常は緑色でシステムの様子が表示されているが、トラブルが生じると赤色になって問題の場所を示すとともに解決の手順も表示される。
また、「Insight Display」の内容はリモートの管理画面にもリアルタイムで表示されており、管理者は遠隔地からでもサーバーの近くにいるオペレータと同じ画面を参照しながら指示を出せる。先ほどのWebブラウザーによる遠隔操作と合わせれば、管理者がサーバーの元に行く機会は大幅に減るはずだ。管理責任者はより重要度の高い仕事に集中できるようになるだろう。
■ ネットワーク機器を内蔵可能
大量のケーブル配線は排熱効率を低下させるほか、配線ミスによるトラブルの原因ともなり、いいことは1つもない。c3000/c7000は用途に応じて、ネットワークスイッチやSAN(ストレージエリアネットワーク)用のスイッチを内蔵できるので、筐体外側のケーブルの本数が非常に少なくて済む。
■ HPバーチャルコネクト
サーバーが故障してハードウェアを交換すると、システムに変更を加える必要が生じ、復旧までに予想外の時間がかかることがある。
ネットワークコントローラのMACアドレスや、ストレージ用アダプタのWWN(ワールドワイドネーム)などの物理アドレスが1台ごとに異なるためだ。サーバーを交換するとなれば、ネットワークやストレージ機器側の再設定がその分だけ必要になる。特にネットワークやストレージをそれぞれ別部門で管理しているような大企業では、さらに時間がかかってしまう。
HPバーチャルコネクトは、物理アドレスをエンクロージャーのスロットに割り当てる仕組みだ。サーバーを交換しても、同じエンクロージャーの同じスロットに設置すれば、ネットワークやストレージ機器側からは同一のアドレスが見えるため、設定を変更しなくて済む。コロンブスの卵的な発想だが効果は高く、サーバーを交換する際の社内手続きを大幅に低減する。
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