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ゼロからはじめる最新サーバー選び -基礎編- 第3回

サーバー選びはフォームファクター選びから

フォームファクターで分類するx86サーバー

2010年11月19日 09時00分更新

文● 伊藤玄蕃

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サーバーマシンの主流となったx86サーバには、複数のフォームファクタ(筐体の形状)がある。フォームファクタは、設置場所のスペースに応じて使い分けられる。また、拡張性にも大きく影響するため、それぞれの特徴を押さえておこう。

x86サーバーの種類と特徴

 2010年の段階で、サーバー市場でもっとも売れているのは「x86サーバー」だ。x86サーバーとは、IBM PC/AT互換機を元祖とするPCの機能を拡張したサーバーで、第1回で紹介したIA(Intel Architecture)サーバーの一種である。「x86」は、8086やその後継である80286、386、486から始まり、PentiumやCore iシリーズなどまで続くインテルのCPUの総称である。

 数年前まで、IAサーバーには32ビットの8086系CPU(Pentiumシリーズなど)を搭載する「IA-32サーバー」と、64ビットのItanium CPUを搭載する「IA-64サーバー」の2つがあった。しかし、2004年からIA-32にも64ビット機能が加わったため、IA-32サーバーではなくx86サーバーと呼ばれるようになった。

 ひとくちにx86サーバーといっても、さまざまな種類がある。実際に導入する際には、設置場所のスペースに制約されるため、サーバーのフォームファクタ(筐体の形状)が選択のキーとなることが多いようだ。フォームファクタによる分類には、以下のようになる。

  1. タワー型(ボックス型・フロアスタンド型ともいう)
  2. ラックマウント型
  3. ブレード型
  4. モジュラー型
  5. そのほか(マイクロ、産業用)

 それでは、それぞれのフォームファクターについて説明しよう。

多くのオプションを内蔵できるタワー型

 タワー型は、一般のデスクトップPCにも見られる自立形状のサーバーマシンである。箱型の筐体に入っているため「ボックス型」とも呼ばれる。CPUの性能やHDDの容量がさほど大きくなく、標準の筐体内に必要なオプション類が収容できる場合に利用される。SOHO環境などではオフィスの一角に床置きされることが多く、「フロアスタンド型」と呼ばれたりもする(写真1)。

写真1 CPUを2つ搭載可能なタワー型サーバー「NEC Express5800/T120b-M」

 ラックマウント型やブレード型に比べて、1つの筐体内に、HDDや拡張カードなどの内蔵オプションを数多く搭載できるよう。すなわち、サーバー1台での拡張性に富んでいる。ただし、タワー型サーバーはあまりハイエンド向けには位置づけられておらず、搭載できるCPUが1~2個にとどまる製品が多い。これより多くのCPUが必要な場合は、後述するラックマウント型またはブレード型を使用する。

初出時、「NEC Express5800/T120b-M 」の写真が誤っておりました。お詫びし、訂正させていただきます。(2011年2月8日)

規格サイズで効率よく収納可能なラックマウント型

 ラックマウント型は、もともとは通信機器や放送用機器を効率よく設置するため使われる、内寸が幅19インチ(48.26センチメートル)のラック(19インチラック)に収容する形状のサーバーマシンである。厚みの単位は、1.75インチ(4.45センチメートル)を「1U」として表わしている(写真2)。

写真2 厚みわずか4.45cmにサーバーを詰め込んだ、1Uラックマウントサーバー「Dell PowerEdge R415」

 ラックマウント型サーバーは、サーバーの筐体だけでなく、同じ19インチラックの上下に組み込まれる別筐体を使って、HDDなどの外部記憶容量を拡張できる製品もある。そのため、ハイエンドクラスの製品を除いては、サーバー自体の筐体内に搭載可能なHDDや拡張カードなどの内蔵オプションの数は、タワー型に比べると少ない。ただし、CPUだけはタワー型より多い4~8個まで搭載できる機種をラインナップされている。また、CPUの搭載数が1~2個の機種であれば、筐体を薄くできる。そのため、1本の19インチラックに数台~十数台のサーバーを組み込むことも可能である(写真3)。

写真3 CPUを4つ搭載可能なラックマウント型サーバー「NEC Express5800/R140b-4 」

 従来のメインフレームや大型UNIXサーバー並みの性能や信頼性を持つハイエンドクラスの製品は、CPUを4~8個まで搭載できるだけでなく、サーバーの筐体内に搭載可能なHDDや拡張カードなどの内蔵オプションもタワー型より多く収容できるように設計されている。このようなハイエンドクラスのサーバーシステムは、外部記憶装置やバックアップ装置が大量になるため、1本の19インチラックには収まらず、2本以上のラックにまたがることも珍しくない(写真4)。

写真4 CPUを8つ搭載可能なハイエンドなラックマウント型サーバー「富士通 PRIMEQUEST 1800E 」

(次ページ、「小型サーバーを多数収容するブレード型」に続く)


 

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