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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第11回

今川焼じゃダメなんです──タイ焼きに「無償の愛」を捧げる女子ブロガー

2007年11月12日 11時00分更新

文● 古田雄介

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東京タイ焼き散歩コース

筆者(写真左)と「いとぅ」さん(右)。上野にほど近い根津/谷中エリアを散歩しつつ、タイ焼きを食べ歩きました

 今やブログやSNSが普及したおかげで、IT技術に詳しくない一般人でもインターネットで気軽に情報発信できるようになった。今回紹介する「たいぶろぐ」の管理人・いとぅさんも、2003年頃にmixiを始め、その流れでブログ運営に至ったという、時代の流れに乗った女性のひとりだ。

 ブログ検索サイトを訪れれば、そうした新世代の書き手がゴマンと見つかるが、「たいぶろぐ」はそれらに埋もれず異彩を放つ。タイ焼きを食べ歩き、それをレポートし続けるだけのシンプルなブログなのに、単なるグルメブログでは感じ得ない根源的な「何か」が伝わってくる。

 顔が見えるインターネット第11回は、いとぅさんオススメの「東京タイ焼き散歩コース」を歩いて名店を巡りながら、読者を引き込むタイ焼きへの愛を語ってもらった。

 
たいぶろぐ

たいぶろぐ

 2006年7月からスタートした、タイ焼き好きの、タイ焼き好きによる、タイ焼き好きのためのブログ。時節の挨拶や日常の描写はほとんどなく、ストイックにタイ焼きの食べ歩きを記録し続けている。

 その批評は業界で評価が高く、新規にオープンしたタイ焼き店の店長から「ぜひ食べに来てほしい」と連絡が入るほど。



タイ焼きには、「天然モノ」と「養殖モノ」がある

 

── タイ焼きに目覚めたきっかけを教えてください。

いとぅ 大学3年のときに就職活動をしていて、たまたま「柳屋」という天然モノで有名なお店でタイ焼きを食べたんです。

 その3日後にも、「浪花家総本店」という別の天然モノのお店に偶然出会って、これは「タイ焼きを極めろ」という神の啓示だなと感じました(笑)。

 

── (笑)。すいません、タイ焼きの「天然モノ」って何ですか?

いとぅ タイ焼きは焼く型によって、天然モノと養殖モノに分けられるんです。天然モノっていうのは、1枚の鉄板に1つの型しかなくて、1匹、1匹挟んで焼くタイプですね。養殖モノは、複数の型が並んだ鉄板で一気に作られたものを指します。天然モノを扱う店って、年々減ってるんですよ。

いとぅさん

いとぅさんは、大学を卒業したばかりの可愛いOLだった。しかし、その口から語られる「タイ焼き愛」は、その道何年の評論家ばりに、具体的で含蓄がある

(次ページに続く)

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