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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第92回

金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い!

2011年04月27日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta) 写真● 住川奈津

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「放射線の量を現ゎす値ゎ……」

 多田 将氏は、歌手・竹中里奈さんの追っかけが「本業」と語る物理学者だ。

多田 将氏。2001年に京都大大学院理学研究科物理学 宇宙物理学専攻博士課程を修了し、暗黒物質(ダークマター)の研究を経て現職に至る

 現在の研究対象は素粒子。中でも、東海村の大強度陽子加速器施設「J-PARC」に建った素粒子ニュートリノの実験装置「ニュートリノビームライン」の設計で、多田氏の名前は世界的に知られている。計画発足から約6年後の2010年には東海村から発射したニュートリノを約300km離れた岐阜県の専用装置で検出することに成功した。

 その一方、mixiでなぜかギャル語を多用した日記をアップし、「本当は素粒子には興味がない」と語ってみせるなど、フリーダムなスタンスでじわじわと人気を広げていった。いつしか多田氏の名前をとって「Shoさま」と呼ばれ、東京カルチャーカルチャーロフトプラスワンのイベントに登壇するまでになっている。

 金髪のロン毛にロックなファッション。そしてフランクな言動にも、独特の哲学が一貫して流れている。その哲学が顕著に現われたのが3.11以降の日記だ。

 「放射線の量を現ゎす値ゎ、吸収線量と線量当量とがぁります」など、相変わらずのギャル語を駆使した解説は分かりやすく、読みやすい。放射線周辺を扱う自身の研究テーマや、異端とされながらも素粒子の仕組みを一般人に伝えてきた日々の積み重ねが、分かりやすい提言やアドバイスとして表現されている。

 顔の見えるインターネット 第92回は、そんな多田氏の人生哲学に迫った。

多田 将(ミクシィ日記)

 「原子炉ゎ、燃料の核分裂によって動ぃてぃます」といったギャル文字の文体で、専門知識や自説を噛み砕いて語っている。日記のスタートは2006年11月からだが、当時は日常のライトな内容がメインだった。

(次ページに続く)

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