
数年続いている人気サイトなら、数冊の本が出せるコンテンツが蓄積されていることも珍しくない。そうしたサイトは、大量のコンテンツを読んでもらうために、カテゴリや時系列で整然と並べているのが普通だ。しかし、今回紹介する「文芸ジャンキー・パラダイス」(ジャンパラ)はちょっとスゴイ。
トップページから怒濤のテキストが並び、目次を見ると、「世界恩人巡礼写真館」「洋画ベスト1000」「特選名作川柳300首」など、とりとめのないコンテンツが列挙されている。しかも、別ページとして「ジョジョ立ち」※に代表される「ジョジョの奇妙な冒険」コーナーも設けている。恐ろしいのは、これらのコンテンツが、それぞれ独立して1サイトを形成しても十分すぎる分量の情報を持っていることだ。
このジャングルのような奥深いサイトは、管理人のカジポン・マルコ・残月氏が8年前から1人で運営している。公式見解によると、総コーナー数は100以上、掲載画像は4000枚、総容量は2.5GBに及ぶという。顔の見えるインターネット第9回は、現在も休むことなく巨大サイトを更新し続ける、カジポン氏のエネルギーの源に迫る!
文芸ジャンキー・パラダイス
芸術作品の紹介やその研究を書き連ねる、総合芸術サイト。1999年の開設から徐々に人気を集め、現在は累計700万アクセスを超えた。また、2003年から始めた「ジョジョ・コーナー」は、4年間で単独400万アクセスを突破するなど、急成長している。
※ジョジョ立ち 荒木飛呂彦氏の長編漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の作中でたびたび見られる登場人物の特徴的なポーズ。その姿勢を真似ることはファンにとってお馴染みの文化となっているが、始まりはジャンパラとされる。
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