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「GT-Rは必ず出す」と社長が明言! 日産の大改革「Re:Nissan」で見えた未来の姿

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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日産

 2期連続で巨額赤字を計上するなど、経営不振に陥った日産自動車(以下日産)。現在、イバン・エスピノーサ社長のもと、経営回復の道半ばですが、今後日産はどのような姿になるのでしょうか?

 先日行なわれた「長期ビジョン説明会」で、新型車を発表するなど今後の日産の未来が見えてきましたので、今一度整理したいと思います。

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過去の「問題点」と決別する新体制

 日産の業績悪化の要因は、昨今他車が苦しんでいる電動化に関するものではなく、これまでの悪い部分が積み重なってきたものです。商品ポートフォリオは市場の変化に追いつかず、コスト上昇のスピードは販売台数で補うことができませんでした。市場規模は縮小しているのに、固定費と事業の煩雑性は高止まりしていました。

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 エスピノーサ社長は就任後、経営再建計画である「Re:Nissan」を断行。「コスト構造の改善」「市場戦略と商品戦略の再定義」「パートナーシップの強化」の3本柱を軸に、工場閉鎖をはじめとする会社のスリム化と、行動の迅速化に努めている最中。その道はいまだ半ばではあるものの、成果は表れているといいます。

 それでは今後、日産はどのようなクルマをつくる、どういう会社に変わるのでしょうか?

 日産は、AIディファインドビークル(ADV)をテーマに、自動車の知能化に力を入れていくそうです。具体的にはAIドライブ技術とAIパートナー技術という2軸を追求し、人の移動の在り方そのものを変えていきたいと語ります。

 日産はすでにプロパイロット 2.0でハンズオフ走行を可能としていますが、AIドライブ技術では、自動車が周囲の状況を判断できるようになり、高速道路だけでなく都市でも運転支援・自動運転を可能にし、ドア・トゥ・ドアでの安全性をより高めていきたいとのこと。

 そして、最終的にはドライバーが前を見なくても移動できる「アイズオフ」走行の実現に取り組むそうです。このAI自動運転技術をすべてのセグメントへと拡大。ラインナップの90%にAI搭載したいと意気込みます。

 運転の自動化にともない、車内でどのように過ごすかも課題になります。そこでAIパートナー技術により、人の移動中の行動を支えていくとのこと。具体的にはクルマとスマートフォン、クラウドをつなげ、メールやSNSから目的地を判断したり、遅れそうなら連絡をするようになると言います。

 また、疲れを感じたら車両側でサポートをするなど「出発から到着まで、すべてのドライバーをサポートする自動運転とコミュニケーションの実現」を目指しているのです。現在、一部車種はスマホによって遠隔でもエアコン操作やナビゲーションのルート設定ができますが、それをもっと自然な形で進めていくというわけです。

 それに併せて指導者用のOSも現在新開発しているとか。アプリ開発の自由度が高いOSの開発を進めているようです。これらを合わせ、将来的には9割の自動車にAIを載せることを計画しています。

 そして、プロパイロット 2.0利用時は月額使用料が発生しているように、これらのサービスのマネタイズ方法を考えているとのこと。つまり、自動車販売や修繕といった部分以外から利益を得る収益構造を考えているようです。

e-POWERを中核とする「電動化」の現実解

日産

 日産は長年、自動車の電動化に力を入れてきました。その路線は変わることはないようです。中核となるのは今年誕生10周年を迎えたシリーズハイブリッドの「e-POWER」。現在は第三世代が出始めていますが、今後そのラインナップを拡充していくとのこと。

 驚いたのは、近年日産のラインナップは1車種1パワートレインという方針から一転し、1車種あたり複数のパワートレインを用意するという方針に変換をすること。これは選択肢を増やして顧客ニーズを高めるためで、商品が市場動向に追いついていないという現状を変える1つの手法であるといいます。

 考えているパワートレインはBEV(バッテリーEV)、e-POWERのほか、PHEV、そしてレンジエクステンダー付きEV。これを市場環境に合わせて投入していく、というわけです。

 国産メーカー他車がパラレルハイブリッド(エンジンメインでモーターは発進や加速のアシスト)であるのに対し、シリーズハイブリッド(エンジンで発電しモーターで走る)であるe-POWERのメリットはどこにあるのでしょうか。

 エンジニアによると、制御面や部品面でBEVと共用化できる部分が多々あるといいます。これは大きなコストメリット、開発納期短縮につながるのは言うまでもないでしょう。

 話題の全固体電池については、エンジニアによると、すでに技術的には完成しているとのこと。ですが量産化については、素材面と製造面で課題があり、現状のままではかなり高額になるそうで、「ラボラトリーグレードの全固体電池を現在の市販車に入れたら1億円近くになるだろう」と質疑応答で答えていました。今後は材料メーカーや製造メーカー、場合によっては他社との協力が必要になりそうです。

 ちなみに量産化したら、リチウム電池より3割ほどコストが下がるだろうと試算しているようです。

開発期間を30ヵ月に短縮する
「市場動向に合わせた開発手法」

 続いての改革は開発納期と手法です。まず、開発期間を従来の50ヵ月以上から30ヵ月以内へと大幅に短縮。市場動向に合わせた車種をタイムリーに出すことを目指すそうです。そのため、たとえば従来はクレイモデルで作っていたものを、ヘッドマウントディスプレイを活用したAR技術で短納期化など、AIやデジタル技術を積極的に取り入れ、一部効果が上がり始めているそうです。

 一部記者から「中国では24ヵ月で自動車開発が行なわれているようだが」との声もあがりましたが、社長は「我々も中国国内のみで販売するモデルなら24ヵ月で自動車開発ができる。だが国際認証や検定に6ヵ月かかるので30ヵ月とした」と回答。さらに「短期間の開発でも、安全性は最重要視する」と力強くコミットメントしていました。

 開発手法のもうひとつの考えが「ファミリー」というもの。これはプラットフォーム(シャシー)の共有化をひとつ推し進めて、ドアなど共通備品をより多くしていくとともに、ファミリーのモデルを複数台同時並行で開発を進めるというもの。部品の共有化は、サプライチェーンの面だけでなく、保守用在庫の低減などに効果があると考えられます。

絞り込みと選択。次期「GT-R」も明言された「ラインナップ」

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 そして、ラインナップについても考え方を改めるようです。報道のとおり、従来の56車種から45車種へと絞り込み、低利益モデルから撤退するのですが、これについて「大丈夫なのか?」という声が聞こえます。

 56車種から削減する理由について、選択と集中を挙げていましたが、さらにエスピノーサ社長によると「従来の日産は、車を作ってから売り方などを考えていた。私は逆に計画を立ててから車を作ることにした」というではありませんか。車を作ってから販売計画などを考えていたという話が本当なら、市場に合わせた車が提供できなくて当たり前です。

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 長期ビジョン説明会では、今後の商品戦略について、ビジネスの中核となる「コアモデル」。今後、成長が見込めるセグメントの「成長モデル」、アライアンスを通じて共同開発する「パートナーシップモデル」、そして日産らしさを訴える「HEARTBEATモデル」と4軸を打ち出しました。

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 当日はエクストレイル(ローグ)e-POWER次期モデルと、欧州向けモデルであるジュークEVを発表。さらにスカイラインと、北米向け大型四駆のエクステラのディザーサイトを公開しました。

 別場所で行なわれた社長会見では、記者から「スポーツカーは作り続けるのですか?」との問いに「GT-R」の名を挙げ、「GT-Rは日産の象徴であるだけでなく、自動車業界にとっても重要なモデルです。今すぐではありませんが、タイミングが来れば販売します」と明言しました。

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 そのほか、高付加価値=高収益の事業モデルとして、何度も別ブランドである「インフィニティ」の再定義を口にしていました。2026年に投入予定の新型SUV「QX65」に加え、新たな中型ハイブリッドSUV、走りを重視したV6セダン、ならびに2車種の大型ハイブリッドSUVを含む、計4モデルの投入で活性化を図るといいます。

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