同一ブランド名ながら、4車種をラインアップするトヨタの「クラウン」。果たして、どのクラウンを選べばいいのでしょうか? すべてのモデルを試乗した筆者の視点で、どのクラウンがどんな人にオススメなのかをチョイスします。
【クラウン クロスオーバー】1周回って良さがわかる
最もお買い得なクラウン!?
ちょっと車高が高めのクロスオーバーを最初に見た時、「これは一体なんなんだ?」と思った方は多いのではないでしょうか。セダンにもSUVにもなりきれていない、どこか中途半端な印象を筆者も受けました。
ですが、全部のクラウンに乗って振り返ると、そのあとに出てくる3車種は、このクラウンの派生であることがわかります。使い勝手、ハンドリング、乗り心地といったパラメーターは4モデルの中で平均的。「新しいクラウンって、どんなクルマ?」と尋ねられたら、まずはクロスオーバーに触れることをオススメします。
またクラウンシリーズの中で、最も安価に設定されている点も見逃せないポイント。ガンガン走るクルマではありませんが、色々な人を乗せる、比較的大きな荷物を載せるなど、1台で色々と使いたい人にピッタリの1台でしょう。
【クラウン スポーツ】運転手ファーストの1台
クラウンシリーズで最も人気を集めているのが、このスポーツです。スポーツはクロスオーバーと比べてホイールベースは80mm短く、全幅は逆に40mm広いモデル。ちなみに、タイヤもクロスオーバーより10mm幅広だったりします。このことからも、ハンドリング性能に力を入れたモデルだということがわかるでしょう。
それゆえ、後席はちょっと狭い印象で、クロスオーバーよりも硬く引き締まった足と相まって、長い時間後席に座ると少々辛いと思う人がいてもおかしくないかも。
パワートレインはハイブリッドのほか、PHEVも用意しているのも見逃せないポイント。どちらも「もう少しパワーが欲しい」と思ったりするのですが、それだけシャシーがよいというわけです。
この性格からも、運転手ファーストの1台です。後席に人を乗せることはあるけれど、それほど頻度が高くない人は、スポーツがオススメです。
【クラウン セダン】これぞ正統派クラウン!
クラウンといえばセダンでしょ、というコンサバティブな人に向けて作られた1台。唯一FCEV(燃料電池)モデルが用意されているのも特徴です。
スポーツが運転手ファーストなら、セダンは後席ファースト。いや、後席に全振りしているといっても過言ではありません。4車種中、もっとも柔らかな足回りのセッティングで、運転手からすると、ゆったりまったり、という印象を受けます。
また、FCEVモデルはとにかく静か。水素ステーションの場所や営業時間の問題がありますが、たとえば都内しか走らないなら、こちらを選ぶことをオススメします。
セダンゆえ、荷室はちょっと使いづらい部分もあったりするのも事実ですが、長距離ドライブして一番疲れないクルマかも。荷物はあまり載せないけれど、ロングドライブが多いなら、一考の価値があるモデルです。
【クラウン エステート】仕事に遊びに使えるクラウン
クルマは購入してから「想定外の使い方」が求められるもの。それは荷物を載せる、会社の上司を乗せるなど、ケースは様々です。これらの要求に対して、対応力があるのがエステートでしょう。
なにより後席荷室をすべて倒せば、奥行き2m超の荷室空間が得られるのは最大の美質。車中泊だって余裕で対応できます。一方で気になるのが、クラウンシリーズとしては高めの価格設定で、一番安いモデル同士で比べた場合、クロスオーバーやスポーツより約120万円アップになっています。
乗り心地はセダンよりはシッカリしていますが、クロスオーバーと比べると柔らかめ。ですので、比較的資金の余裕がある方で、かつ遠出をすることが多かったり、色々と使いたいという人に向いているでしょう。
もし筆者が選ぶとしたら? というと、長距離移動が多いのと、荷物が多いことからエステートが本命。対抗がクロスオーバーで、大穴がセダンかなと。ご参考になれば幸いです。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第683回
自動車
家族を乗せてサーキットへ!? 実用性と狂気を併せ持つ「GRカローラ 25式後期」の完成度 - 第682回
自動車
航続320kmでフル装備! BYDの軽EV「RACCO」は日本の軽自動車の“聖域”をどう切り崩すか - 第681回
自動車
Jeep「コマンダー」はガラガラ音も愛おしい。純ディーゼル搭載の7人乗りSUVが教えてくれる心のゆとり - 第680回
自動車
「OK Google」が軽自動車で使える感動。日産「ルークス」が激戦区で選ばれる3つの理由 - 第679回
自動車
330万円から!? マツダ新型CX-5が「今年のSUV最高傑作」と断言できる理由 - 第678回
自動車
EVである前に軽自動車。スズキ「eSKY」が示す、日本の日常に寄り添う最適解 - 第677回
自動車
「ついに911、お前もか…」伝統の変化を嘆く前に乗るべき、約2000万円の超ピュアな「カレラT」 - 第676回
自動車
メーカーチューンの理想形! 2L化した特別ロードスター「12R」が魅せる至高の人馬一体 - 第675回
自動車
街乗りは不便でも悪路走破性は最強! ファミリーカー目線で斬る「ジムニー ノマド」のリアルな実力 - 第674回
自動車
軽自動車なのにフラッグシップ級の充実度! 三菱・新型デリカミニの最新コネクテッド機能を徹底検証






