中国はEV大国というけどホントなの?
実際に行ってみたらホントだった!
先日、中国の上海に仕事で行ってきました。今やGDP(国内総生産)世界第2位の中国。その中でも上海は、都市レベルで北京などを抑えて国内1位なのだとか。そんな上海を走るクルマは、日本とは大きく異なります。それを見ながら、ちょっと先の日本の未来を考えつつ、上海のクルマ事情をレポートします。
筆者が訪れたのは、上海の中でも浦東(プートン)新区と呼ばれる高層ビルが立ち並ぶエリア。2000年頃から開発が始まり、上海の経済発展を象徴する地域です。観光のほか、金融街などもあることから、富裕層が多いエリアのようで、メルセデス・マイバッハのSUVを何台も見かけました。
中国は国策としてBEV(電気自動車)を推進しているのは誰もが知るところでしょう。上海も、5割以上のクルマが電気自動車だったりします。バイク(スクーター)も電気が主流。それもそのハズ。グローバルEVアウトルックという電気自動車の最新動向サイトによると、2024年の中国における電気自動車販売台数は約1130万台。実に新車販売の48%がBEVだったそうです。ちなみにアメリカは約163万台、日本は約10万台です。
車種を見ると、BYDよりも上汽集団(SAIC Motor)の方が多く見受ける印象。タクシーも栄威(Roewe)という上汽集団ブランドのクルマでした。
日本車は少なくドイツ御三家が頑張っている
テスラは意外と走っててチャージャーも多い
ほかに見かけるクルマで最も多いのが、意外にもテスラ。アメリカと中国は政治的に……と思ったりしましたが、経済面では関係ない模様。施設の駐車場には、普通にテスラ専用のスーパーチャージャーが設置されています。
次に多いのがドイツ車。最も多いのがフォルクスワーゲン(VW)で、パトカーもVWが多い印象でした。あとはAMGではないメルセデス・ベンツ、BMW、アウディといったプレミアムブランドが並びます。これらはアウディを除いてガソリンエンジン搭載車がほとんど。中国でもアウディは積極的にBEV戦略をとっているようです。
逆に見かけないのが日本車。レクサスを含めたトヨタが2時間に1回、Hondaと日産が1日に1回見かけた程度。その他の日本車メーカーは、4日間の滞在期間中、一度も見かけることはなく。その様子をみると、日本の経済系媒体が「日本車はEVで立ち遅れている」と書き煽る気持ち、よくわかります。
ほかに見かけたクルマはというと、ボルボくらい。韓国車は1度見た程度。それくらい輸入車はドイツ御三家+VW以外の欧州車は見かけませんでした。富裕層だからといって、日本のようにフェラーリやランボルギーニの姿を見ることもなかったのです。
車種はほとんどSUVかセダン。まったく見かけないのが、バイクも含めてスポーツ系車両。日本で多く見かけるコンパクトカーも皆無。中国は道も国土も広いから、小さなクルマを買う必要はないのでしょうか。スポーツカーが少ない理由はのちほど……。
このようにEV率が高い上海の浦東新区。にもかかわらず、街中に充電設備を見かけることはありません。ですが大きな商業施設の駐車場に行くと、100台くらい停められる駐車スペースのうち、約30台分に充電設備があったことに驚き。さらにブランド別の駐車スペースが用意されている模様。
グローバルEVアウトルックによると、中国国内で利用できる公共用EV充電器数は約350万台とのこと。世界1位の設置数を誇ります。なお、日本の充電器設置数は約4万7000台です。もちろん国土の広さやクルマの販売台数が違うので、一概に「日本は少ない」と言ってよい話ではありません。ですが、大型商業施設でも充電器が1~2ヵ所程度しかない姿を知る身からすると、中国の充電器の多さには驚かされるばかりです。
これらの充電器の設置コストを誰が負担しているかは、詳しくはわかりませんでしたが、充電器がなければBEVは普及しないのは当たり前の話。日本が本気でBEV化に進むのなら、駐車場枠の3割は充電器を設置しないといけないのでは? と思った次第です。
【まとめ】日本でEVを推進するなら
充電器を地方にも多く設置することが急務
中国で自動車に乗って気づくのは、すべてのドライバーが「法定速度厳守」であるということ。上海周辺は一般道は幹線道路が50km/h、高速道路が80km/hの模様。高速道路でどんなに空いていても、この速度を遵守しています。
「制限速度遵守なんですね」と運転手に尋ねると「アレだよ」と、カメラを指さしました。街や高速道路にはカメラがいたるところにあり、厳しくチェックされている模様。しかも、速度違反の点数がかなり重いようです。なるほど、スポーツカーを買ってもそのクルマが活きる速度を出せないから、乗り心地のよいクルマを買う傾向があるようです。
以上が上海・浦東新区の自動車と道路事情です。電気自動車ゆえか、街がとても静かだったことも印象的でした。
日本政府は今もEVを推進しようとしています。今後、日本もこういう感じになるのかなぁと思いながら上海をあとにしました。
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