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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ第546回

Honda「シビックRS」が「This is サイコーに楽しいHonda!」である3つの理由

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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Honda/シビックRS(419万8700円)

 昨年、Hondaから発売された「シビックRS」。発売後しばらくしたら受注停止になったくらい人気です。そんなシビックRSをようやく試乗したので、乗って感じた「This is サイコーに ちょうどいいHonda!」である理由を述べていきたいと思います。

「RSを出すならTYPE-Rを作れ」と思ってた時期がありました

ガソリンエンジン搭載の11台目シビック

 話はシビックRSの登場前、2024年前半にさかのぼります。当時11代目のシビックのラインナップは、最上位にスポーツグレードのTYPE-R、イマドキのハイブリッド車e:HEV、そして1.5L 直4ターボエンジン車を用意していました。

 その中でガソリンエンジン車にはAT(CVT)のほかに3ペダルのMTを設定。当初、ガソリンエンジン車(TYPE-Rを除く)のうち、MTの販売比率が約35%だったそうですが、2023年には58%へと上昇。気づけば人気グレードになっていったようです。その理由はというと、新車でMT設定のある車種が少ないことと、TYPE-Rが2年近くに渡って受注停止状態だから? と想像します。

東京オートサロン2024で発表されたシビックRS

 そんな中、2024年の東京オートサロンでシビックRSは華々しくお披露目されました。TYPE-Rグレードが出る以前、RSはHondaのスポーツグレードに付けられた名前であり、その始まりは初代シビックにまで遡るとのこと。ちなみにRSとはロードセーリングの略で、水上を帆走するように、悠々と気持ちよくハイウェイを走る、そんな想いが込められているのだとか。

 そんなこんなで世間は「シビックから久々のRSグレードが出る!」と歓待ムード。一方、天邪鬼な筆者は「それよりTYPE-Rをもっと作るべきじゃないか?」とも思ったり。

 約10ヵ月後、シビックRSが販売開始したのですが、驚いたのは価格。なんと約420万円と、グレードによってはベース車両から70万円以上も高い値付けがされたのです。その理由はRS専用パーツのほか昨今の原価高騰云々らしいのですが……。

 しかもシビックRSの登場により、1.5L 直4ターボエンジン搭載車のMTグレードは廃止。よって3ペダルのシビックに乗りたければ、TYPE-RかRSのいずれかの選択肢しかない、というわけです。ハイブリッドの時代、MTは贅沢品になったのです。しかも、TYPE-Rの価格は約500万円(当時)。これまたRSと約80万円の価格差しかありません。

シビックTYPE-R

シビックTYPE-R RACING BLACK Package

 悶々とした気持ちで今年の東京オートサロンのHondaブースに足を運ぶと、今度はTYPE-RにRACING BLACK Packageなるものを追加すると言い出したではありませんか! またまた驚いたのはそのお値段で、なんと約600万円。ここでも「専用パーツ代と物価上昇分」という理由らしいのですが、「RSとTYPE-Rの差は170万円だったらRSに価値はあるかな」と妙に納得。

 しばらくして、RACING BLACK Packageの受注が始まったと思いきや、今度はRSが受注停止に……。世の中、なかなか上手くいかないものです。なお、RSは現段階(7月下旬)で受注再開の公式アナウンスは特に見当たらないようです。

 そもそも、なんでRSを作ろうと思ったのかとHondaに尋ねてみました。すると「エンドユーザーからTYPE-Rでは乗り味がハードすぎる。普段使いしながらも走りが楽しいMT車を作ってほしい」という声があったため、とのこと。

 筆者は数回TYPE-Rを試乗しましたが、一度もTYPE-Rが苦痛だと思ったことはありませんし、そういう人のためにこそ、普通のシビックMTがあると思うのです。もしくはホンダアクセスがModuloブランドのスポーツサスペンションを作るか、シビックModulo Xを設定すればよいのでは? 筆者は、この点でもRSグレードを設定する理由がまだ理解できていませんでした。

【TYPE-RではなくRSを選ぶ理由 その1】
扱いやすさと適度なパワーと使い勝手の良さ

全長4560×全幅1800×全高1410mm

 サスペンションとブレーキが強化されているのですが、車高は標準に比べて5mm下げた程度。TYPE-Rは輪留めによってはリアバンパーが傷物になるのですが、RSは余程高い輪留めでない限り擦ることはないでしょう。また、TYPE-Rは車幅が1.9m近いのですが、RSは1.8mですので、立体駐車場でホイールを削る心配も少ないでしょう。

 最高出力182PS、最大トルク240N・mというエンジン出力は、前モデルのガソリンエンジン仕様と変わりないものの、トルクフルなセッティングのためか、街中の走行はかなりラク。発進時にアクセルを不必要に煽る必要はありません。TYPE-Rの330馬力に比べると、RSの182馬力は大人しく見えます。でも必要十分どころか、街中で全開することは、まずないでしょう。

 RSは軽量シングルマスフライホイールを採用し、レスポンスアップを図ったと謳います。街中で軽量フライホイールの恩恵を感じることは少ないですが、ワインディングでアクセルレスポンスの向上は確かに感じることができました。

 ちなみに燃料はハイオクのみ。これはガソリンエンジンのシビックも同じです。ですが、e:HEV仕様はレギュラー対応です。

 MTの操作に慣れていないと、ガクガクしたり坂道発進でエンストしがち。ですが、レブマチックシステムと電動パーキングブレーキによるブレーキホールド機能により解決できます。しかも従来Hondaのオートブレーキホールド機能は、車両の電源をオフにすると解除されたのですが、シビックRSでは設定を保持。乗るたびに設定をする必要はありません。

 使い勝手の面で見ると、TYPE-Rの後席は2名しか着座できませんがRSは3名乗車が可能。残念ながら、後席にUSB充電端子が用意されていないのは、今までと同様です。

 ハッチバックスタイルなので、バックドアは大きく開き荷物の出し入れがかなりラク。しかもプライバシーシェードが使いやすいのもよく、普段使いとして文句はほぼありません。

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