これは集中しても1ヵ月は遊べそうなボリューム感!

序盤の金策はスジモンが便利!『龍が如く8』物語、バトル、やり込みすべてが楽しい傑作RPG【Steamゲームレビュー】

2024年01月29日 11時00分更新

文● Zenon/ASCII

ドンドコ島は噂に違わぬ沼っぷり!

 ゴミの不法投棄で汚れた島を、リゾートアイランドとして再興させるコンテンツ「ドンドコ島」。解放は第6章で、たどり着くまで25時間ほどかかった(スジモンの寄り道をしていたせいでもあるが)。

 発売前からの事前情報で「時間が溶ける」「もはや1本の別ゲーム」などと噂されていた通り、なるほどこれはヤバイ。専用のUIやバトルシステムが用意されている辺り、開発スタッフの気合いの入りようもうかがえる出来だった。

ドンドコ島のメニュー画面。セリフの吹き出しにも背景が付くなど、本編とは明確に区別されているのがわかる

マスコットキャラクターのガチャピンとムック。まさかのコラボに発表時は開いた口がふさがらなかったものだ

 ドンドコ島でやることはいくつもあるが、大まかに序盤は以下の流れで進めることになる。1日は朝から夜までで、時間の流れがあるのが特徴。時刻表示はなく、周囲の明るさと図で現在の時間を確認できる。

時間の流れを示す図。真夜中まで働いていると、翌日に体力が回復しないというデメリットもあるので、しっかり夜は家に戻って寝よう

1.朝礼(目標確認)
2.ゴミ掃除&資源集め
3.DIYでモノ作り&配置
4.就寝(翌日へ)

朝礼ではデイリーミッションと現在の目標などを確認可能。リゾートランクの★を上げていくのが大目標で、そのために「充実度」と「人気度」の値を上げ、土地を「整地」しなければならない

「充実度」と「人気度」はDIYで物を作って配置したり、島の動植物をゲットすると上がっていく

整地は島の専用通貨「ゼニー」が必要。整地するとゴミが発生しなくなり、DIYで作った物を配置可能になる。ゴミを破壊するたびに「浄化ランク」が上がって必要なゼニーが安くなる

 DIYは、島の資源をもとにして作成可能。開発レベルが上がるとレシピをガンガン閃くので、片っ端から作ったことがない物を作っていこう。

和式便所から雑居ビルまで、一番の手先の器用さには脱帽です(そうはならんやろ!)

 島にはクリーンパイレーツというゴミの不法投棄業者が定期的に訪れるので、バットを振るって丁重にお帰りいただこう。ここでのバトルは本編と異なり、アクション形式となる。

木や岩を壊すのも、ゴミを片付けるのも、敵を倒すのもすべてバット! 頭を空っぽにして楽しもう

敵の攻撃はローリングで回避できる。バットは振るだけでなく、溜め攻撃も可能

 宿泊施設を設置すると、観光客が訪れる。さまざまな「要望」があるので、多く満たした客を呼び込もう。要望を満たすほどチェックアウト時の満足度が高くなり、支払われる金額も増えるという。

宿泊希望者のなかから、呼びたい人を任意で選べるシステム

序盤に建てられるテントには3人まで宿泊可能

お客と会ったら挨拶して満足度を上げよう

 このコンテンツのなにがヤバイかって、1日のサイクルが絶妙なところ。やるべきこと、やりたいことが次々に生まれ、かつ1ターンのサイクルが長すぎず短すぎないことで、やめ時を見失ってしまいがちだった。

 まだまだ序盤ではあるが、ここで遊ぶと島専用通貨「ゼニー」を稼げ、本編で使える「ドル」に変換できる模様。最終的にはおそらくスジモン以上に稼げるようになると思うので、実利的なメリットもある。

 ガチャピンとムックによる島内放送も非常にゆるくて心地よいし、どんな家具をどう配置するかもプレイヤー次第ということで自由度も抜群。これは時間が溶けるのも納得だ。オレ、この原稿を書き終えたら、またドンドコするんだ……!

物語、戦闘、やり込みすべてが楽しい傑作RPG

 以上が『龍が如く8』を30時間ほどプレイしたレビューとなる。話によると200時間は遊べるコンテンツ量ということで、まだまだ氷山の一角に過ぎないというのだから恐ろしいゲームだ。

 物語は春日一番という、熱くてバカ正直な主人公を軸に展開するため、見ていて元気がもらえるのはポイント。信用を失い、職を失い、想い人を失い、挙句の果てに素っ裸でハワイのビーチに転がされてしょっ引かれるという、まさに「どん底」に落ちても、なお成り上がろうとポジティブに振る舞う彼の姿には、見習いたいものがある。

 また、桐生一馬という「龍が如く」の看板を背負ってきた男の頼もしさも尋常ではない。物語上でも戦闘面でも、彼がいなければとうに一番はより詰んだ状況に落ちていただろう。

 桐生向けのサイドコンテンツ「エンディングノート」はまだ解禁されていないが、なるべくすべての思い残しを片付けてあげたいものだ。

 戦闘面は戦略性を高めつつ直感的に遊べる仕組みで、非常に好み。極技(スキル)も多彩で、転職することでさらにその数は増えていく。

 しかも習得した技はほかのジョブにも一部任意で引き継げるので、育てるジョブの優先度が人によって変わりそうなのも自由度が高くてGOOD。

ハワイらしいジョブの数も多く、誰がどのジョブから育成するか悩みどころ

 マップは広大で、フレンドも200人(犬猫鶏牛など人外も含む)用意されているなど、万事すべてにおいて大ボリューム。終わりが見えないのにすべてが楽しい。もっと遊びたくなる!

 スジモンやドンドコ島など大きなものや、感動的な人間ドラマを見られるサブストーリーの数々、入るたびに構造が変わる「ハワイダンジョン」なんてものも見つかった。

ハワイダンジョンでは、助けを求める人を救助しつつ地下へ地下へと潜っていく。「腕試しや腕磨きには持ってこい」と語られているので、エンドコンツ的な位置づけと思われる

 本編が楽しいのはもちろん、戦闘も寄り道も楽しい本作。間違いなくRPG好きにはオススメできる傑作RPGだと言えるだろう。しいて言うなら、過去作のプレイがあるとより楽しめるようになっており、新規にはややオススメしにくいところか(それでも楽しめると思うが)。

 あとはPC(Steam)版の場合、グラフィック設定をいじるとより快適にプレイできる可能性がある。筆者の場合、普段使いのPCでは最初、妙にカクついてしまって酔いやすかったので、グラフィック品質を「低」まで下げてプレイしていた。

 いまはこんな時のために用意しておいたゲーミングノートPCでプレイ中。グラフィック品質も「高」まで上げられて、とても快適にプレイしている(ややファンの音は気になるが)。それぞれのスペックを記載しておくので、PC版を買おうと思っている人は参考にしてほしい。

【普段使いのデスクトップPC】

OS:Windows 11(64bit)
プロセッサ:Core i7-8700(3.20GHz)
メモリー:16GB
グラフィック:GeForce GTX 1060 6GB

【ゲーミングノートPC】

OS:Windows 11(64bit)
プロセッサ:AMD Ryzen 7 6800H(3.20GHz)
メモリー:16GB
グラフィック:GeForce RTX 3070 Ti

・必須/推奨スペックについてはSteamページを参照
https://store.steampowered.com/app/2072450/_/

 

【ゲーム情報】

タイトル:龍が如く8
ジャンル:ドラマティックRPG
販売:セガ
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Windows/Steam)
発売日:発売中(2024年1月26日)
価格:
 スタンダード・エディション:9680円
 デラックス・エディション:1万780円
 アルティメット・エディション:1万2760円
CERO:D(17歳以上対象)

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう

この連載の記事