◆久々のハイパワーMTは「クラッチが重い!」
実際に走り始めるときに感じた第一印象は「クラッチ重……」。筆者はマニュアル車も所有していますが、ハイパワーのマニュアル車は久々。トヨタ製の3.5リッター V6 スーパーチャージャーによる405PSのパワーを受け止めるために、ある程度強化されたクラッチが採用されているのです。ただ、ミートポイントにクセがあるわけではないので、慣れてくれば問題ありません。
街乗りで走ってみると、クラッチの重さ以外は快適そのもの。乗り心地もスポーツサスペンションが装備されているわりに良いし、夏の東京の渋滞でもエアコンはバッチリ効くし、車内に入ってくるメカニカルノイズが小さくてオーディオも楽しめました。
高速道路で合流のために加速すると、3.5L V6スーパーチャージャーが本領を発揮します。正しくはどこからでもトルクが立ち上がるといった印象で、回転フィーリングが変わらないからシフトアップを忘れてしまいそうなくらい。全域トルクフルなエンジンとなっています。基本的なパワーユニットはエヴォーラと同じですが、エヴォーラよりもフラットなトルク特性となっている雰囲気で、どちらかと言えばエミーラのパワーユニットは扱いやすいグランドツアラー的なエンジンといった印象です。
◆ワインディングでは舞うように走れる
ワインディングに入り、スポーツモードを試します。するとスロットルレスポンスが鋭くなり、エンジンサウンドもワイルドになります。鋭くなったスロットルレスポンスとヒール&トゥしやすいペダルレイアウトでブリッピング(ニュートラルでアクセルを踏んでエンジン回転数を合わせる)がバシバシ決まるあたりはエリーゼに乗った時を思い出させます。
トヨタ製パワーユニットをベースにした、ロータスでのチューニングの影響が大きいのでしょう。
そして、ロータスと言えば忘れちゃいけないのがハンドリング。コーナー手前からわずかにステアリングを切り始めるとスグにフロントタイヤが反応して、ステアリングとフロントタイヤが直に触れているようなフィールはまさにロータスそのもの。車両重量やパワステの有無などで、エリーゼほどのダイレクト感はありませんが、フロントノーズは鋭くクリッピングポイントを目掛けて動き始める様子に、スポーツカーファンとしてホッとしたのを覚えています。まさに「ハンドリング・バイ・ロータス、ここに健在!」といった印象です。
【まとめ】伝統を守りつつ進化するエミーラ
現在は3.5L V6スーパーチャージャーのみですが、この後2.0L 4気筒ターボの導入も控えているエミーラ。こちらのトランスミッションは8速DCTになる予定で、素早い変速とイージーなドライブが期待できます。また、車両のバランス的にもコチラを本命とする声もチラホラ……。
ただ、今回の試乗で分かったのは、エミーラは「ハンドリング・バイ・ロータス」の伝統をしっかりと守っているということ。そう考えると、ハンドリングに没頭できる4気筒モデルもアリと思わせてくれます。ロータスらしいハンドリングを味わうことができ、近年のロータス車の中でしっかりとGT的な利便性と快適性が備わっているエミーラ。
パッケージからエヴォーラの後継と言う人もいますが、個人的には「現代版エスプリ」といった印象(実際にエスプリ運転したことはありませんが)。ただ、現代のロータス経営陣にとって大昔のエスプリを意識したことはないかもしれません。
エミーラの歴史は始まったばかり、これからどんなバリエーションと進化を見せてくれるのか楽しみです。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
この連載の記事
- 第684回
自動車
往復で充電6回!? ホンダ「N-ONE e:」で東京〜セントレアを走破してわかった、軽EVのリアルなコスパ - 第683回
自動車
家族を乗せてサーキットへ!? 実用性と狂気を併せ持つ「GRカローラ 25式後期」の完成度 - 第682回
自動車
航続320kmでフル装備! BYDの軽EV「RACCO」は日本の軽自動車の“聖域”をどう切り崩すか - 第681回
自動車
Jeep「コマンダー」はガラガラ音も愛おしい。純ディーゼル搭載の7人乗りSUVが教えてくれる心のゆとり - 第680回
自動車
「OK Google」が軽自動車で使える感動。日産「ルークス」が激戦区で選ばれる3つの理由 - 第679回
自動車
330万円から!? マツダ新型CX-5が「今年のSUV最高傑作」と断言できる理由 - 第678回
自動車
EVである前に軽自動車。スズキ「eSKY」が示す、日本の日常に寄り添う最適解 - 第677回
自動車
「ついに911、お前もか…」伝統の変化を嘆く前に乗るべき、約2000万円の超ピュアな「カレラT」 - 第676回
自動車
メーカーチューンの理想形! 2L化した特別ロードスター「12R」が魅せる至高の人馬一体 - 第675回
自動車
街乗りは不便でも悪路走破性は最強! ファミリーカー目線で斬る「ジムニー ノマド」のリアルな実力

















