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ビデオ通話で現場と遠隔コラボ「SynQ Remote」のクアンドがB Dash Camp 2022秋優勝

B Dash Camp 2022 Fall in Fukuoka Pitch Arena Final

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

 2022年10月19日~21日の3日間、福岡市でスタートアップ業界最大級のカンファレンスイベント「B Dash Camp 2022 Fall in Fukuoka」が開催。3日目にはスタートアップピッチ「Pitch Arena Final」セッションが行なわれ、2日目の「ファーストラウンド(予選)」に出場した16社から通過した、6社が登壇した。ファイナルには医療、建築といった人手不足が深刻な現場をデジタル、DX化するサービスを開発する企業が多く選ばれた。今回はWEB3の別会場「B Dash CRYPTO」も展開されたが、WEB3企業は通過できず、まだ2.0後期とされるサービス領域で課題の残されている業界へのデジタル化、DX展開のマーケットは大きいという印象も与えていた。

 優勝したのは現場からビデオ通話で複数人で現場確認作業ができる、リモートコラボレーションツール「SynQ Remote」を開発、提供する「クアンド」だ。そのほか受賞企業やファイナルに登壇した6社のサービス、事業を紹介する。

優勝 株式会社クアンド
準優勝 サグリ株式会社
野村賞 サグリ株式会社
ノバセル賞 nat株式会社
AGS賞 株式会社クアンド
テコテック賞 株式会社Pictoria
UPSIDER賞 サグリ株式会社

株式会社Pictoria 明渡隼人 代表取締役 CEO

 Pictoriaは、VTuber活動のすべてをAIによって作成する「AI VTuber」事業を展開。ユーザーコメントとリアルタイムコミュニケーションで学習する、対話型学習AIキャラクター「紡ネン」がすでにYouTubeで配信中。AIキャラならではの生身の人間では難しい600時間ぶっ通し連続配信、マルチチャンネル化、長時間配信でのユーザーコミュニケーションを休みなく提供することが可能で、VTuber市場、可能性を拡げていく。NFT事業も展開する。

nat株式会社 劉栄駿 代表取締役社長 / President & CEO

 natは、スマートフォンの「LiDARセンサー」を利用した、AI測量アプリ「Scanat」を開発、展開する。部屋などをスキャンして、センサーの点群データと深度写真を独自のアルゴリズムで組み合わせた処理で、高品質な3Dモデル、誤差ミリ単位の高精度計測が可能だ。動画撮影するような操作で現場で測定したい場所をスマホカメラで空間スキャン撮影するだけと。これまで職人が複数でメジャーや業務用ツールを使って計測し、紙に記録するといった作業から解放される。受注できなければ無償の作業となる、見積もり作成段階の計測作業に利用される。また個人向けにも計測することで自宅のサイズがわかり、リフォームや家具、家電などにリーチしやすくなると、住環境市場の拡大にも寄与できるとしている。

株式会社クアンド 下岡純一郎 代表取締役CEO

 クアンドは、現場に特化したリモートコラボレーションツール「SynQ Remote」を開発、運営する。現場調査や検査のための現場間移動に多くの時間が使われており、熟練の職人が不足する中、大きな機会損失につながっている、その課題解決のため、Zoomなどの従来のオンラインMTGでは難しい、現場でのやりとりをツール上で可能にしたサービスだ。現場からビデオ通話で、複数人が同時に動画上にポインターでのやり取り、ペイント機能で視覚的に指示、共有が可能で高齢の職人にも使いやすいユーザーインターフェースとなっている。遠隔操作以外に前後の作業の効率化につながるサービスの導入も控えており、プラットフォーム化を狙う。建設現場だけでなく、工場の点検などにも利用されている。

株式会社レイヤード 毛塚牧人 代表取締役社長

 レイヤードは、医療DXを推進する各種ツールを開発、運営する。治療から未病、重症化予防に変わってきている医療現場では、日ごろからのサポートが可能なかかりつけ医の重要性が増してきている。ただ患者管理には多くの課題があり、そのかかりつけ医が患者ごとにパーソナライズされた医療を提供するプラットフォームを実現する。カルテや治療歴、処方などがまとまる医療版CRM「Kakarite」、患者が事前に自分の情報などを医師に共有できるウェブ問診ツール「Symview」を提供する。患者データを収集し、医師がダッシュボード、タイムラインで管理しやすくし、かつ両サービスをつなげ、一連の医療サービスを提供する。

株式会社Yuimedi グライムス英美里 代表取締役社長

 Yuimediは、医療データの利活用を推進するための、医療に特化したノーコードのAIデータクレンジングサービス「Yuicleaner」を開発、運営する。すでにアメリカでも展開し、個人の医師でも導入できる価格帯で提供している。製薬、保険、バイオテック企業など医師が持つ医療データの需要が高まっており、構造化データの流通が望まれている。医師側も価値ある医療データを活用し収益化につながる。価値ある医療データの創出で、医療業界全体の拡大を狙う。

サグリ株式会社 坪井俊輔 代表取締役 CEO

 サグリは衛星データとAIを活用し、食糧問題、脱炭素につながる農地情報を可視化するサービス「Sagri」を展開するアグリテックベンチャー企業。衛星データから土壌を解析し、農地区画ごとにどのくらい肥料を使えばいいかがわかるようになる。インドを中心にグローバルでもサービス展開し、肥料を抑えることで脱炭素化につながり、農家には経費削減だけでなくカーボンクレジット収入の代行なども展開する。

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