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すべての人のために宇宙を拓く「SPACETIDE 2026」開催 地球観測データで挑むアクセルスペースの飛躍

SPACETIDE 2026セッションレポ―ト

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宇宙ビジネスの拡張とエコシステムの広がり

 2026年7月6日から9日までの4日間、アジア最大級の国際宇宙ビジネスカンファレンス「SPACETIDE 2026」が、東京の虎ノ門ヒルズフォーラム等で開催された。2015年の設立以来、11回目の開催となる今年のテーマは「Unlocking Space for All Humanity / すべての人のために宇宙を拓く」である。

 会場には国内外の宇宙機関、大企業、スタートアップなどのトップリーダーが200名以上集結し、70枠以上のセッションが行なわれた。今年は特に、地方自治体とのパートナーシップによる宇宙エコシステムの拡張や、USGIF(United States Geospatial Intelligence Foundation:米国地理空間インテリジェンス財団)と連携した特別トラックの設置など、宇宙ビジネスの裾野を広げる新たな試みが注目を集めた。展示や個室商談スペースも拡充され、宇宙ビジネスの確かな熱気と成長を感じさせる4日間となった。

アクセルスペース、次世代地球観測衛星と地球環境モニタリングへの挑戦

株式会社アクセルスペースホールディングス代表取締役 中村友哉氏

 カンファレンス最終日の7月9日、株式会社アクセルスペースホールディングス代表取締役の中村友哉氏が登壇し、「Securing the Nation, Empowering the World: AxelGlobe as a Trusted Space Infrastructure」と題した基調講演を行なった。

 2008年設立の同社は、100〜300キログラム級の超小型衛星の開発、運用する。現在は自社衛星による地球観測データ提供事業「AxelGlobe」を主軸に据え、2025年8月に東証グロース市場への上場を果たした。本講演では、同社の今後の事業を牽引する3つの大きなトピックが語られた。

 第1に、次世代地球観測衛星「GRUS-3」7機の打ち上げ成功である。講演2日前の2026年7月7日、SpaceX社の「Falcon 9」ロケットにより打ち上げられ、予定軌道への投入および全7機からの電波(ファーストボイス)受信に成功した。これにより、1日あたりの観測可能面積は従来の約75万平方キロメートルから200万平方キロメートル以上へと約3倍に拡大する。さらに「コースタルブルー(Coastal Blue)バンド」が追加され、浅水域の海底地形やブルーカーボンのモニタリングという新たなソリューション創出が可能となる。

 第2に、温室効果ガス(GHG)モニタリング事業への本格参入である。技術開発課題がJAXAの宇宙戦略基金に採択され、明星電気株式会社、ANAホールディングス株式会社、株式会社JIJの3社と協業する。小型分光計を新規開発し、将来のコンステレーション構築を見据えつつ、まずはANAの定期旅客機などを活用して都市部などにおけるCO2発生源別の排出、吸収量を高精度に観測する実証を進めていく。

 最後に、防衛省のPFI事業(Private Finance Initiative:民間資金等活用事業)である「衛星コンステレーションの整備・運営等事業」への参画である。本事業全体の事業主体は三菱電機などが設立した特別目的会社「トライサット・コンステレーション」であるが、アクセルスペースは協力企業の中で唯一の光学画像提供者としてこのプロジェクトに参画している。事業主体および三井物産エアロスペース株式会社との間で「画像データ取得業務委託契約」を締結した。この事業では画像データ取得の業務枠組みに対する契約総額が約480億円となっており、アクセルスペースはこの中で、2031年3月までの約5年間、安全保障に必要な光学画像情報を安定的に提供していく役割を担う。ハードウェアの着実な運用実績と先端的なデータビジネスを掛け合わせ、多角的な飛躍を目指すビジョンが示された充実の講演となった。

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