「選択」に重みを感じ過ぎてうんうん悩む「信念の天秤」
物語の分岐点で登場するシステム「信念の天秤」は、7人の仲間にコインを渡し「投票」で道を決めるというもの。なお、プレイヤー=セレノア自身は投票せず、仲間たちの意見を聞き、選びたい選択肢に投票してくれるよう説得していくことになる。
最初に選ぶことになる選択は、「どちらの国へ行くか」というもの。政治的にも仲間の心情的にも意見は真っ二つで、どちらにも理由はある。とはいえさすがに最初の選択肢だし「どちらを選んでも深刻なデメリットはないよな」……そう、思っていた時期が自分にもありました。
この選択は物語的にはそこまで重くはないのだが、じつは「加入する仲間が異なる」というゲーム的に重要な選択となっている。これは非常に悩む。むむむむむ。
「挿話」で増える仲間と唯一無二の戦略性
ここからはバトルについて語っていこう。戦闘はストーリー中に起きるものと、ワールドマップからいつでも行ける詰所で受けられる「想定バトル(フリーバトル)」の2種類がある。ストーリーで詰まったら詰所の想定バトルでレベル上げができるので安心だ。
基本的には相手の背後、せめて側面から攻撃するよう立ち回ったり、仲間と敵をはさみうちにすると発生する「追撃」を当てたりすると有利に戦闘が進む。より高いところから攻撃した方がダメージは大きくなるし、状態異常は毒・麻痺・能力低下と多彩だ。
また、魔法やアイテムによって起こる「地形効果」も本作の重要な要素の1つ。「火」を使えば草や木は燃え、通過するだけでダメージを受ける。「氷」なら移動力と命中率が下がり、「雷」を水たまりに撃てばその上に立っている者すべてが感電ダメージを受ける。「風」は相手の向きを操作できるため、バックアタックを狙いやすい。そうした環境の変化も考慮して戦うのは、戦略の幅が広がっておもしろいと思う。
しかし本作のバトル要素でもっともおもしろいのは、「キャラクターそれぞれに固有の役割がある」という点だと筆者は感じた。
上記で挙げたキャラクターはいずれもストーリーで加入する初期メンバー。それゆえシンプルに役割が決まっていて、扱いやすい能力を備えている。それとは別に、主人公の「信念」の蓄積で加入イベントの「挿話」が発生する仲間たちもおり、そちらは比較的クセの強いメンバーが多い。
これらの尖った能力はそれぞれオンリーワンのチカラなので、替えがきかないのがネック。もちろん1回のバトルに出せる人数は上限があり、全員は出陣できない。いかに複数のキャラクター間によるシナジーを生み出せるかを考えるのが、本作のバトルにおける最大のおもしろさだと思う。
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