ストレスフリーの快適さと官能的な走りが楽しめるBMWアルピナ。それは極上のクルマ体験、感動の極みと言っても過言ではありません。様々なクルマに触れた人ほど「これを超えるクルマはそうはない」と思うことでしょう。ならばと、モーターファン別冊ニューモデル速報「〇〇〇のすべて」シリーズに出演するなど、多くのクルマに触れているスポーツカー大好きのファッションモデル・新 唯(あらた・ゆい)さんも、きっとそう思うハズ。というわけで、彼女にBMWアルピナのエントリーモデルといえる「B3」に試乗してもらい、「本当にイイクルマとは何か」を知ってもらえれば、今後の活動に役立つのでは? と考えました。
と、この企画を担当編集Sにもちかけたところ、ここでまさかの「ちょっと待った」がかかるではありませんか。というのも担当編集Sは日頃からポルシェ至上主義を唱えており、不肖が以前作成したBMWアルピナのB5とB7原稿について「話、盛ってませんか?」との疑いをかける始末。ゆえに「B3の原稿は読む前から内容がわかっている。どうせお前は最高、素晴らしいとしか書かない」と言い出すではありませんか。「イイクルマをイイと言って何が悪い」とバチバチです。「ならば、乗ればわかりますよ」ということで、忙しい担当編集Sも今回の取材に同行。こうして不肖は運転せず、唯さんと担当編集SがBMWアルピナ/B3に触れた印象をレポートとしてまとめるという、過去にない記事となりました。
BMWアルピナとはなんぞや?
まずはBMWアルピナのおさらいから。アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社(ALPINA Burkard Bovensiepen GmbH + Co. KG)は、かつてはホワイトボディーや主要コンポーネントを譲り受けるなど、BMWの全面協力のもと、1台1台丁寧に生産する自動車メーカーです。フェラーリが年1万台超を生産する時代において、BMWアルピナの年間生産台数は1700台程度と実に小規模。それは、会社を拡大するよりクオリティーの維持にこだわるがゆえのこと。いい意味でドイツのクラフトマンシップを今に伝えるブランドといえ、それゆえ根強い支持を集め、昨年で創業55周年を迎えました。
今回試乗するBMWアルピナB3は、その名の通り3シリーズをベースに、アルピナ独自のエッセンスを加えた1台。2019年の東京モーターショーで世界初公開され、2020~2021の日本カー・オブ・ザ・イヤーにて、パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。日本カー・オブ・ザ・イヤーを取ったから絶対にイイクルマ、とは思いませんが、BMWアルピナが受賞したということは驚きでもありますが、イイクルマゆえに当然の結果とも。イイモノをイイと言って何が悪いんでしょう?
エクステリアは3シリーズセダンをベースに、フロントバンパーとリアバンパー、スポイラーを変更し、サイドにアルピナラインと呼ばれるデコセットを加えた程度。パッと見、街で見かける3シリーズとそう変わりはありません。変わらないのに、特別色(44万円)のアルピナ・グリーンとシルバーのラインが成せるワザなのか、ほかのBMWから感じたことのない高い気品を感じます。担当編集Sは言を失い、唯さんも「素敵……」以外の言葉が見つからない様子。世代に関係なく、見る人の心をつかむ魅力がBMWアルピナには満ち溢れているのです。
「特に、このスポイラーが凄くオシャレ」と唯さん。彼女は「羽根のないクルマはクルマとは呼ばない」と公言してはばからないのですが、「このさり気なく、それでいて主張するあたりがイイですね」と賛辞を送ります。
テールエンドの左右4本出しマフラーの位置もまた好みの様子。さり気なくノーマルとは違うことを主張します。「後ろを走るクルマは、このリアを見たら追走を諦めた方がいいだろうね」とは担当編集Sの言。
「あとこのホイールカッコイイですね」と唯さんは、アルピナ伝統20本スポークを指をさします。20本スポークである理由は、その昔、BMWのホイール取り付けが4穴と5穴の2種類があり、その最大公約数が20だから。「多スポークって洗うのが面倒なんだよね。けどカッコイイんだよなぁ」と一言多くも担当編集Sからは本音がポロリ。さらにスポークの先に見えるのは、オプションのドリルドローターと、青い大型のブレーキキャリパー。速いのは当たり前、キチンと止まるのもクルマにとって重要な要素ですからね。
それではエンジンを見てみましょう。搭載するエンジンはBMWアルピナの手により調律されたS58 型3リッター直列6気筒ビ・ターボ(BITURBO、ドイツ語ビトゥルボ、ツインターボのこと)。最高出力は462馬力を発揮します。BMWの直6ユニットを搭載した他モデルと比較すると、M4は480馬力、M3やM4コンペティションが510馬力ですので「随分と控えめだな」と思えるのですが、最大トルクはなんと700Nmと、M4の550Nm、M3とM4コンペティションの650Nmを大きく上回ります。この700Nmという太いトルクは、担当編集Sが崇拝し、B3とほぼ同価格のポルシェ「911 Carrera」のフラットシックス(385馬力/450Nm)は言うに及ばず、上位グレード「911 GT3」の(510馬力/470Nm)をも軽く凌駕します。この化け物のようなトルクは、同社独自の冷却システムだからこその成果といえるでしょう。ちなみに、駆動システムはBMW xDriveシステムをベースにBMWアルピナが手を加えた独自の前後可変タイプ。どうやらリア寄りの駆動配分になっているようです。
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