このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第117回

街乗りもレースもこなせるオールマイティーなヤリス「ヤリスカップカー」

2021年05月29日 15時00分更新

文● 松永和浩 モデル●生田ちむ(@1224Chimu7)編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

エンジンはノーマルのものを搭載
オーディオは取り除かれている

 エンジンはヤリスの1.5リッターエンジンM15A-FKSで、まったくのノーマルと言えますがオイルクーラーが追加されています。ヤリスカップカーはCVT車の設定もありますが、CVT車は6MT車に比べてサーキット走行でのオイルの温度が上昇しやすいためにCVT車では15段のコアを持つ大型の空冷式オイルクーラーを採用しています。

 ノーマルのヤリスから省かれる装備もあります。車内はオーディオレス設定となっており、特にディスプレイオーディオは後からつけることもできません。ドアトリムには2スピーカーが装着されダッシュボード内部にも配線は来ていますので工夫すればオーディオを取り付けられると考えるかもしれませんが、レースに出場する際はダッシュボードの形状変更はできませんので注意が必要です。

 ステアリングはヤリスのノーマル形状のものが装着されます。ウレタン巻きの簡素なタイプですが、レーシンググローブをつけての操作となるので材質に大きな問題はないといえるでしょう。またメーターもヤリスのガソリン車と同じものとなっています。

交換していいのはシート、ホイール、ブレーキパッド

 ドライバーの好みで交換できる部分にはシート、ホイール、ブレーキパッドがあります。シートはレースで使用できる基準に合格したシートとシートレールで、なおかつ公道を走るための車検に適合したものである必要があります。また交換を前提としているので、販売時装着品の運転席シートは写真に写る助手席のシートと同じ、Xグレードに準じたヘッドレスト一体型シートとなります。

 なおレース用の6点式シートベルトはサベルト製のものが販売時装着品となります。

 タイヤも交換を前提としているので、販売状態では175/70-14とスチールホイールが装着されます。またレースで使用するタイヤはグッドイヤーの「EAGLE RS SPORT S-SPEC 195/55-14 84V」に指定されます。ホイールは7J-15インチ インセット48mmであれば好きなブランドのホイールを選択できます。レースの際はフロントタイヤや必ず新品でマーキングを受けることも必須です。

 ブレーキはブレーキパッドのみ交換が可能です。ブレーキローター自体はヤリスの1.5リッターと同じなので、レースではブレーキ全体がかなり熱を持つことになります。ブレーキパッドの選択は熱耐性の強いものを選ぶ必要がありそうです。リアブレーキはリーディングトレーディング式のいわゆるドラムブレーキですが、レース用のブレーキシューは様々なブレーキメーカーから発売されています。

 ヤリスカップカーはレース用に様々な部品を装着してはいますが、基本的にはヤリスです。そのため横滑り防止装置やサイドエアバッグ、カーテンエアバッグなど最低限の安全装備は装着されていますが、レースに出る際にこれを取り外すことはできません。

レース入門用としては決して高くない1台

 ヤリスカップカーはこれらの装備で6MTの価格が217万1100円(税込)。Xとの差額は62万8100円ですが、ロールバーとサスペンションだけでもあとからつければこの金額は大きく超えてしまいます。

 世界のトヨタが作る入門レース用の市販車ですからモータースポーツのすそ野を広げるという意味でもお買い得感のある価格設定は重要だったのではないでしょうか。

 そんなヤリスカップの開幕戦は6月5日に富士スピードウェイで開催されます。あなたもヤリスカップカーとともに参戦してみませんか?

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ