新しいiPhone SEが発売された。ただし、いつもと違うのは新型コロナウイルスの影響で販売体制が変わっていること。アップルが直接販売するSIMフリー版のiPhone SEはすでにユーザーの手元に順次届いているはずだが、3大キャリアは延期されて、現時点では5月11日の発売になっている。
そのため、3大キャリアでの販売を待つかどうか悩んでいるユーザーも多いはずだ。実際に筆者も購入はほぼ決定しているが、どこで買うかまだ迷っている。そこで、現時点で格安SIMユーザーにとってどこで購入するのがお得で有利なのかを考えてみたい。
コストパフォーマンスが高い第2世代のiPhone SE
4月に登場したiPhone SEは、コストパフォーマンスが高く“買い”な機種であることはすでに語り尽くされている。これは2016年発売の第1世代のiPhone SEのときと同じで、2世代前の外装に最新のプロセッサなどの“中身”を入れている点でも共通している。
そして、今回のiPhone SEは現在スマホを活用するうえで必要な、防水やFelica、ワイヤレス充電といった機能にひととおり対応している。Face IDがないことはマスク必須な世の中にはあまり問題にならず、むしろ指紋センサーがあることはメリットとも言える。
ベースとなったiPhone 8は長らく人気だったが、iPhone SEはそれに加えてeSIMにも対応しているため、今後格安SIMを利用する上でも有利になる可能性がある。しかも、非公式ながらiPhone SEなら楽天モバイル「Rakuten UN-LIMIT」でのデータ通信ができたという報告もあがっている。
懐古主義と言われるかもしれないが、上下に枠があるディスプレーは、手に持ったときに押さえる場所があり、ラフに持っても誤動作せず、しっかり本体を手で支えられるという点では有利。ノッチもなく周囲が丸くなってないので画面の隅まで有効活用できる点もいい。しかも液晶なので焼付きの心配もなく、手放すときも安心だ。
そして、全体的に重くなってしまったiPhoneのラインナップのなかで148gという軽量な点もメリットとなる。落下で破損する確率も下がり、将来の下取りや売却にも有利と言えよう。
Apple Storeの価格で比べてみれば、前モデルのiPhone SEは16GBモデルが登場時に8%の消費税込で5万7024円。それに対して、今回のiPhone SEは64GBモデルで10%の消費税込で4万9280円と安くなっている。前回のiPhone SEは発売直後に5000円の値下げがあったが、それでも2020年のiPhone SEが安い。まさにコスパを求める層にマッチしたiPhoneとなっている。
3大キャリアのiPhone SEはMNPなら割安だが、得とは言えない
では、購入する際の販売ルートごとのiPhone SEの価格だが、Apple Storeでは64GBモデルで4万9280円という5万円を切った価格になっているが、ドコモ/au/ソフトバンクともにそれよりも高い金額を設定している。
具体的にはドコモが5万7024円、auが5万5270円、ソフトバンクが5万7600円と5990~8320円高い。128GB、256GBタイプも同様だ。
(すべて税込) | 64GB | 128GB | 256GB |
---|---|---|---|
Apple Store | 4万9280円 | 5万4780円 | 6万6880円 |
ドコモ | 5万7024円 | 6万2568円 | 7万5240円 |
au | 5万5270円 | 6万1250円 | 7万5215円 |
ソフトバンク | 5万7600円 | 6万4080円 | 7万8480円 |
価格だけ見ればApple StoreでSIMフリーを購入したほうが安くなるが、3大キャリアには割引制度があり、共通するのはMNPによる乗り換えであれば大きな値引きがあること。3キャリアともに最大約22000円引きはほぼ同じで、たとえばドコモで64GBモデルを買えば、MNPでは3万5024円、SIMフリー版との差は1万4256円となる。
この1万4256円の差は有利か不利かは利用条件によってさまざまだが、維持費が月1000円高くなったとして、MNPにかかる転出手数料の3300円も加えると、11ヵ月で逆転となる。
現在は短期解約の違約金がドコモやauは1000円なので、適当な時期で再度乗り換えてしまってもいいが、この程度の差ではなかなか元をとることは難しい。
また、手放すときの売却金額だが、(一括購入であれば)現在はすぐにSIMロック解除ができるので、3大キャリアで購入しても、Apple Storeで購入しても専門店での下取額に差はほぼ無いが、それでもApple Store購入品のほうが若干有利になることはある。

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