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Startup Factory構築事業 第2回

契約ガイドライン策定業務検討会 座長小林茂教授インタビュー

スタートアップの「ものづくりトラブルあるある話」を一掃する契約ガイドラインが凄い

2019年02月22日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水 撮影●曽根田元 編集●アスキー編集部

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机上の空論ではなく、血の通った提案を

 「ものづくりスタートアップのための契約ガイドライン」を策定する検討会は、野村総研、環境共創イニシアチブが事務局となり、小林教授を座長として、伊藤毅氏(東京フレックス法律事務所)、内田誠氏(iCraft法律事務所)、岡田淳氏(森・濱田松本法律事務所)、柿沼太一氏(STORIA法律事務所)、齊藤友紀氏(メルカリ)、福岡真之介氏(西村あさひ法律事務所)の各氏で構成されている。

検討会では方向性の確認、ガイドラインと契約書フォーマットのたたき台を作り、それを元に意見交換を行なった

 野村総研がとりまとめた事前レポートをもとにメンバーがそれぞれの立場で意見を出し、検討会ではその場でしかできない議論を行なう形で数回開催された。契約をする場合、スタートアップと製造業者のどちら側に立って契約書を作るかによって内容が変わってくるが、ガイドラインとなった場合、片方に寄るのではなく双方のバランスを取らなければならなかった部分が難しかったと小林教授は語る。

 また、今の製造業者は、最終的に量産までを担当することで収益を得るビジネスモデルが基本となっているが、量産を中国など他の国で行なう例が増えている現実を見ると世界と戦っていくにはこの商習慣を変えていく必要がある。そのため、これまでの商習慣をそのままガイドラインに盛り込むのではなく、スタートアップのビジネスに沿った形で積極的な提案をし、新しい商習慣を作ろうという話で参加メンバーがまとまったとのことだ。

 検討会と検討会の間の期間には、まとまった内容についてStartup Factoryの参加事業者やスタートアップ企業などに意見を求め、大きく方向性が間違っていないことを確認しながら進めている。検討会の参加メンバーは、主にこのガイドラインを使う人がスタートアップまたは製造業者ということで、それぞれつながりのある企業や人を思い浮かべながら意見を出しており、会議室内の机上の空論ではなく、血の通った提案がなされ、まとめられたと小林教授は語っている。

量産化トラブルあるある:原理試作編

■回路図やパターン図などには製造業者側に知的財産権が発生する可能性がある。買取打診で想定外の金額を要求されるなどトラブルに発展することも。

小林座長のワンポイントコメント
 ものづくりをする上で、プロセスごとに得意とする業者が違うため、その時点での図面を他の業者へ渡して進めたいということはよくあること。しかしその時点で図面の権利を示されて高い金額を提示されるといったことがある。
 作る過程で生じた図面であり、委託しているのだから、自分たちの権利ではと考えがちだが、著作権は作った人に自動的に発生するものなので、利用を許諾する範囲については最初に決めておくことが必要になる。仮に、図面が引き継げないと時間のロスが発生してしまう。
 一方、製造業者側からみると、図面などの権利をスタートアップ側に渡してしまうと、途中で乗り換えられてしまう可能性があり、権利を渡したくないと思うだろう。そこは交渉のしどころであり、権利を渡してもらう代わりにこれだけ支払う、といった交渉も必要になる。
 途中段階の図面などにも知的財産権が発生することを知っておくことは重要。それらをどう扱うかを最初の段階で決めて、必要であれば金額に反映させた交渉が有効だ。

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