サーバーはXeon E5、ネットワークは40/100GbEへ本格移行
クラウドイネーブラーとしての存在感を高めるシスコの最新製品
2012年03月14日 06時00分更新
40/100GbE対応ラインカードの投入でコアを強化
最後にデータセンター/バーチャライゼーション事業 データセンタースイッチング プロダクトマネージャ 及川尚氏が、ネットワーク分野についてのアップデートを行なった。
同氏は、まずエンタープライズ向けの「Catalystシリーズ」とデータセンター向けの「Nexusシリーズ」という2つのスイッチ製品群に分かれた過去の経緯を「両方ともEthernetスイッチだが、軸足の違いで1つの製品ラインでは、新たな要求に対応できないと判断した」と振り返った。両者はそれぞれ独自の進化を遂げつつ、機能面で相互にオーバーラップしているという。
エンタープライズにおいては、統合されたセキュリティポリシーや無線LANへの対応、省エネの推進、単一のアクセスポリシーなどが求められていると説明した。これを実現するためCatalystシリーズにおいては、有線/無線LANとの統合、IDベースのセキュリティを実現する「TrustSec」、リッチなビデオを提供する「Medianet」、省エネ化を実現する「EnergyWise」などの技術が投入されている。今回、Catalystシリーズの新製品として、Catalyst 6500用の10/40GbE対応の「6904ラインカード」、ボックス型スイッチの「Catalyst 4500-X」が投入された。
一方、データセンターにおいては、ハイパフォーマンス、運用の効率性、LANとSANの統合、柔軟なデザインオプションなどが求められると説明。これに対してUnified Fabricを標榜するNexusシリーズでは、I/O統合を実現する「FabricPath」やクラウドをまたぐ物理・仮想マシンの移動を可能にする「LISP(Locator/ID Separation Protocol)」、ファブリック間接続を簡素化する「FEX-Link」などの技術が投入されている。
これらNexusの新製品としては、まずNexus 7000 M2シリーズ用の40GbE用/100GbEモジュールが追加された。40GbEモジュールは6ポートを搭載し、Nexus 7000に最大96の40GbEにポートを提供。また、100GbEモジュールは2ポートを搭載し、最大32の100GbEポートを提供する。両者ともフルのL2/L3機能を備えるほか、OTVやMPLS、IPv4/v6などをサポート。サーバーやアクセスレイヤでの10GbEの採用にともなうコアネットワークのボトルネックを解消する役割を担う。
その他、64ポートの10GbEを搭載した低遅延・低消費電力スイッチ「Nexus 3064-X」、VLAN数の限界を解消するVXLANに対応したソフトスイッチ「Nexus 1000Vリリース1.5」、仮想アプライアンスをホストする専用ハードウェア「Nexus 1010-X」などの新製品も投入された。
高まるクラウドイネーブラーとしてのシスコの存在感
盤石ともいえるネットワーク分野でのアドバンテージに加え、サーバー分野でのシェアも向上したことで、データセンター市場でのシスコの存在感はますます高まっている。今回、クラウドを同社の戦略の中心に据え、プロビジョニングツールや統合管理ツールまで拡充させたことで、今後HPやIBMをはじめとする大手ITベンダーとの競争もますます激しくなってきそうだ。
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