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続々登場!最新Xeon E5搭載サーバー 第14回

2ソケットのモジュラー型サーバー「Express5800/E120d-M」も投入

40℃アピールはこれが最後!NECの省エネサーバーを見てきた

2012年05月17日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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5月16日、NECはx86サーバー「Express5800シリーズ」の新モデルを披露する内覧会を、秋葉原の「クラサバ市場」で開催した。昨年から対応を開始した動作温度40℃の対応機種を増やすとともに、モジュラー型サーバーの新機種も投入した。この夏も課題になりそうな省電力に大きくフォーカスした製品群だ。

40℃動作保証を拡大したスタンダードサーバー

 今回発表されたのは、ラックマウント型サーバー「R120d-2E」「R120d-1E」「R110d-1M」の3機種、タワー型サーバー「T120d」「T110d」の2機種、SIGMABLADEブランドのブレードサーバー「B120d-h」「B120d」「B110d」の3機種、そしてECO CENTERブランドのモジュラー型サーバー「E120d-M」の計9機種になる。

 ラックマウント型およびタワー型のスタンダードサーバーは、4月出荷の2機種に加え、Xeon E5プロセッサー搭載モデルを拡充した。DDR3L-1600の高速メモリ、高速なPCI Express 3.0対応、デュアルコアCPU搭載の新RAIDコントローラーなどを採用し、ハードウェアスペックの底上げが実現している。

タワー型のT120dでも24台のHDDが搭載可能になった

T120dの内部構造。CPUには巨大なヒートシンクが装着される。前面吸気でエアフローが最適化されている

 最大の特徴は昨年一部機種で開始されていた40℃動作保証を拡大した点だ。エアフローを最適化した新筐体の採用、高効率電源、低電圧メモリ、ファン制御により、40℃の動作保証を実現。消費電力値の上限を設定できるパワーキャッピングなどの標準機能と組み合わせることで、効率的な省エネ運用が可能になる。管理ソフトウェアのアップデートにより、複数サーバーをグループ化し、グループ単位で上限値等を設定する機能も追加される予定となっている。他社製品でも動作保証温度を上げている動向もあり、今後40℃動作保証はExpress5800シリーズでは、多くのモデル標準スペックになる予定。

40℃の高温環境でのデモ。サーバーだけではなく、ストレージやネットワーク機器も40℃対応が済んでいるのがポイント

 あわせて、ディスクの搭載台数も既存機種に比べて拡大した。2Uラックマウント型のR120d-2Eで最大26台、タワー型のT120dとT110dで最大24台までの2.5インチディスクの搭載が可能になる。その他、オフィスサーバーで好評だった防塵フィルターなども用意される。5モデルは5月25日に出荷が開始される。希望小売価格は、2U・2ソケットのR120d-2Eが32万4000円~、1U・2ソケットのR120D-1Eが29万4000円~となっている。

26台のHDDが搭載可能なR120d-2E。前面に交換可能な24台が配置され、システム領域用の2台は筐体内に

前面にHDDが満載されているため、USBポートやLEDはベゼル背面のツメに

3.5インチHDD搭載のモデルもきちんと用意される

 また、ブレードサーバーにもXeon E5プロセッサー搭載モデルが追加されたほか、久しぶりに1ソケットのブレードであるB110dが用意された。Pentiumプロセッサー搭載のB110dは、40℃動作保証にも対応している。希望小売価格は、2ソケットでE5-2600搭載の高性能ブレードB120d-hが45万1000円~、1ソケットのB110dが25万5000円~となっている。出荷は6月下旬。

左から高性能ブレードB120d-h、2ソケットのB120d、1ソケットで40℃対応のb110d

「4コイチ」タイプのモジュラー型サーバー

 今回、新製品の目玉はデータセンター向けのモジュラー型サーバー「Express5800/E120d-M」であろう。2UのエンクロージャーにXeon E5プロセッサー搭載可能な2ソケットのサーバーノードを4台格納できる。共用は電源のみなのでブレードサーバーのような専用部品が少なく、ラックマウントサーバーより台数ベースの集積密度が高いという特性を持つ。同社は過去にもラックの前後から組み入れるハーフサーバーや、Atomプロセッサー搭載のモジュラー型サーバーなどを提供してきたが、意外にも2Uに4ノードという「4コイチ」タイプは初めてだ。

4つのサーバーノードをエンクロージャーに搭載できるExpress5800/E120d-M

 他社製品に比べた差別化ポイントは、フロントメンテナンスを重視した点。HDDのみを前面に集め、背面からサーバーモジュールを挿入するタイプに比べて、増設や保守作業をすべて前面から行なえるのが特徴となっている。背面は通常のラックマウント型サーバーと同じく、電源やLANポートのみ配置されている。

 メモリは384GB、HDDも最大4TB(SATA)搭載できる。電源やファンの冗長構成にも対応する。他のExpress5800シリーズと同様のリモート管理、電力制御なども可能になっており、40℃動作保証にも対応している。価格は31万2000円~となっており、出荷は7月下旬。

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