KVHなどが回線サービスを提供
専用線で接続可能に!「AWS Direct Connect」が日本対応
2012年01月13日 06時00分更新
1月12日、米Amazon.com の関連会社である「Amazon Web Services LLC(アマゾン ウェブ サービス)」は、「AWS Direct Connect」が東京リージョンで利用可能になったと発表した。
AWS Direct Connectは、AWSクラウド(データセンター)とオンプレミス環境(ユーザー企業など)の間を専用線で接続するサービス。これによって多くの場合、帯域が向上するほか、遅延とコストが削減され、インターネット経由よりも安定したネットワーク接続が実現するという。
企業間で音楽やビデオのマスターデータをやり取りする場合をはじめ、AWSクラウドとオンプレミス環境間で大規模データのやり取りが頻発するケース、ネットワークパフォーマンスが重要とされるケースにこうした専用線接続のメリットが現れるという。また、専用線接続のため、SANやNASなど、顧客企業の既存投資を活かしつつ、AWSクラウドを使った拡張が可能になるという。
AWS Direct Connectの料金はAWSクラウドの従量課金制が踏襲され、使用したネットワークポートの数、AWSのクラウドサービスから外部へ向かうデータ転送量によって課金される。外部からAWSクラウドへのデータのアップロードは無料だ。
AWS Direct Connectの専用線を提供する「AWS Direct Connect ソリューションプロバイダー」も用意されており、現在、日本においては、
- NTTコミュニケーションズ
- KVH
- ソフトバンクテレコム
- 野村総合研究所
から提供される。
KVHなどが対応ネットワークサービスを展開
KVHによれば、同社は低遅延Ethernetサービス「KVH Ether-MAN Plus」とマルチギガビットクラスの高速専用サービス「KVH SmartGiga」がAWS Direct Connectに対応するという。
KVH Ether-MAN Plusは、専用サービスの信頼性と広域Ethernetサービスの柔軟性を同時に実現するという、帯域保証型サービス。最高水準の低遅延が要求される高速電子取引向けにも、多数の導入実績を有する。AWS Direct Connectユーザー向けのメニューは、1000Base-LX / SXをインターフェイスにしたポイントツーポイント型専用線で、100~900Mbpsまで、100Mbps単位で選択可能だ。
一方の「KVH SmartGiga」は、安定性と機密性の高い拠点間通信を実現するという、マルチギガビットクラスの広帯域サービスに特化した低遅延な専用サービス。複数データセンター間を接続するクラウドプラットフォームや大量データの遠隔リアルタイム伝送に適しているという。AWS Direct Connectユーザー向けのメニューとしては、標準で納期遅延保証、故障復旧保証、可用性保証のSLAが適用される「1Gbps/10GbpsEthernet専用サービス」を提供する。
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