進化が止まらない!AWSの最新動向 第15回
アプリケーションのライフサイクル管理を網羅
Chefベースのアプリケーション管理ツール「AWS OpsWorks」
2013年02月20日 22時00分更新
2月19日、米Amazon Web Services, Inc.はプロビジョニング、設定管理、デプロイメント、監視およびアクセス制御などアプリケーションのライフサイクル管理を網羅する「AWS OpsWorks」を発表した。
AWSでは従来リソースの集合を作成し、簡単にセットアップする「AWS CloudFormation」やAWSクラウド上のアプリケーションをすばやくデプロイ、管理する「AWS Elastic Beanstalk」などを提供してきた。AWS OpsWorksは、数多くのアプリケーションがAWSで稼動するようになったことを受け、それらのAWSリソースを管理し、アプリケーションのデプロイを自動化する、洗練されたツールとして提供されるという。
AWS OpsWorksでは、Amazon EC2のインスタンスを組み合わせた「Stack」という単位で設定や運用が行なわれる。Stackは1つ以上のアプリケーションをホストし、他のユーザー権限やアプリケーションに関連づけられているリソースのコンテナとしても機能する。このStackに、EC2インスタンスやEBSボリュームやElastic IPアドレスなどのセットアップと設定を含む「Layer」と呼ばれる設計図を組み合わせていく。LayerにはRuby、PHP、Node.js、HAProxy、Memcached、MySQLなどのものが用意されているという。
また、LayerにはオープンソースのChefのレシピが利用できる。Chefのレシピを使うことで、システムレベルの設定変更を行なったり、さまざまなツール、ユーティリティ、ライブラリおよびアプリケーションのコードをインストールできる。コードはAmazon S3 bucketのほか、GitやSubversionなどのリポジトリから取得するよう指定する。
運用管理においても、カスタム可能なデプロイメント、パッチ管理、オートスケーリングそして自動修復をサポート。設定を更新し、ボタンをクリックするだけでアップデートできるため、ルーチン作業の時間を削減する。また、あらゆるアプリケーション設定に対応。開発者は一貫性を保ちながら、新しいインスタンス上で現状構成を再現したり、全インスタンスに対して変更を実施することができる。
AWS OpsWorksはEC2インスタンス、EBSボリュームなどAWSリソースの標準機能として提供され、追加料金なしでAWS Management Consoleから起動できる。東京リージョンを含む、すべてのパブリックリージョンで利用可能になっているという。

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