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鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第10回

40万円だけど……エントリーユーザーに最適

親切さに驚きっぱなし! BOSEのホームシアターシステム

2010年07月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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「Lifestyle V35」のシステム一式

「Lifestyle V35」のシステム一式。電波式のリモコンやiPod用ドック、音場調整用のヘッドセットなど、装備品はかなり充実している

 このところホームシアターというと、オールインワン型のフロントサラウンドか、3D対応などの最新機能に対応した単品のAVアンプの二極化の方向に進んでいるようで、正統派と言える5本のスピーカーとサブウーファーをセットにしたホームシアターシステムは少々影が薄くなっている感がある。

 「テレビのスピーカーのグレードアップが目的なのでフロントサラウンドで十分」という人と、「リアスピーカーまで使って本格的にホームシアターを作るなら単品コンポのグレードで実現したい」という人に嗜好がはっきりと分かれてしまっているのだろう。

 5.1chのホームシアターセットは、両者の良いところを兼ね備えた製品で、使い勝手はなるべく簡単でスピーカーやアンプの選択に頭を悩ませる必要がなく、それでいてリアにスピーカーを置く本格的なサラウンドの醍醐味を味わえるもの。

 その良さをさらにステップアップしたのが、今回紹介するBOSEの「Lifestyle V35」(実売価格40万円前後)だ。同社の5.1chホームシアターセットの中でも最上位のシステムで、価格もそれなりのものだが、「高い」というだけで候補から外してしまうのは惜しいシステムなのである。

 なお、シリーズとして、スピーカーが一回り大きいサイズになっている「V25」(実売価格 30万円前後)、iPodドックや電波式リモコン、USBポート、FM/AMチューナーを省略したT20(同24万6000円前後)もラインナップされている。


梱包箱に番号が! 設置手順が分かりやすい

製品は4つの箱に分けて収納されている。「1」はシステムの中心となるコンソール、「2」はアクースティマス・モジュール(サブウーファー)、「3」はサテライトスピーカー、「4」はリモコンやiPodドックなどのアクセサリー

 例によって、試聴は筆者の自宅で行った。すべてのパッケージがひとつの箱に収まっているため、その大きさには閉口したが、それぞれのコンポーネントは個別の箱に入っており、開梱の手間は少ない。コンポーネントと使用するケーブルがセットになっているので、たくさんの配線のどれを使うのかが分からなくなってしまうこともない。それぞれの箱にはわかりやすくナンバーがふられており、内容物の確認や開梱の手順も説明されている親切さにまず感心した。

コンソール部の前面。前面にビデオ入力やHDMI端子、ファームウェアアップデートなどで利用するUSB端子を備えている。本体部には表示のためのディスプレーはない

コンソール部の前面。前面にビデオ入力やHDMI端子、ファームウェアアップデートなどで利用するUSB端子を備えている。本体部には表示のためのディスプレーはない

背面にはHDMI入力3系統のほか、コンポーネント映像入力などを備えるなど、入出力端子は充実

背面にはHDMI入力3系統のほか、コンポーネント映像入力などを備えるなど、入出力端子は充実

 まずは、システムの中心になる「コンソール」から見ていこう。ちょっとしたAV機器並みのサイズだが、BD/DVDプレーヤーは内蔵しない。価格的にも、プレーヤー内蔵型を好まれる人もいると思うが、BDレコやDVDプレーヤーなどを自由に選べるというメリットもあり、高価格な製品だからこそ、プレーヤー類は非内蔵で良いと思う。

アクースティマスモジュールの前面。上下の開口部から低音が出力される。サイズは大きいが、タテ型のスリムな形状なので、邪魔になりにくい

アクースティマスモジュールの前面。上下の開口部から低音が出力される。サイズは大きいが、タテ型のスリムな形状なので、邪魔になりにくい

背面の接続端子。コード類がまとめやすいように、下向きに配置されている。コンソール部との接続端子のほか、サテライト用スピーカーとの接続端子もある

背面の接続端子。コード類がまとめやすいように、下向きに配置されている。コンソール部との接続端子のほか、サテライト用スピーカーとの接続端子もある

 アクースティマスモジュールは、独自のアクースティマス方式のサブウーファーに加え、サテライトスピーカー用のアンプも内蔵する。そのためサイズはやや大きいが、置き場所の自由度が高いので、部屋のすみなどに置けば邪魔にならないだろう。

合計5つのサテライトスピーカー。フロントおよびリアのスピーカー(写真両脇)はすべて同一形状。センタースピーカーだけ、薄型テレビの周辺に置きやすいように横長形状になっている

合計5つのサテライトスピーカー。フロントおよびリアのスピーカー(写真両脇)はすべて同一形状で上のユニットが水平方向に回転する仕組み。センタースピーカーだけ、薄型テレビの周辺に置きやすいように横長形状になっている

スピーカーの背面。接続端子は専用のものを使うため、一般的な端子ではない。コネクターで接続するだけの簡単接続になっている

スピーカーの背面。接続端子は専用のものを使うため、一般的な端子ではない。コネクターで接続するだけの簡単接続になっている

 付属するスピーカーは、極めてコンパクトだ。最新の「Jewel Cubeスピーカー」で、それぞれ2つのユニットが内蔵されており、上下のユニットの向きを変えることで音の広がり感を調整することもできる。

 横幅57cmというサイズなら、後方にスピーカーを置くとしても邪魔にはならないだろう。そして、同社は設置のための金具も充実しており、各種のスタンドのほか、壁に取り付けるためのアタッチメントなども用意されているので、置き場所に頭を悩ませる心配はほとんどないだろう。

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