このページの本文へ

鳥居一豊の「最新AVプロダクツ一刀両断」 第10回

40万円だけど……エントリーユーザーに最適

親切さに驚きっぱなし! BOSEのホームシアターシステム

2010年07月21日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

設置や接続、設定のやりやすさは国産モデル以上!

 スピーカーが5本にサブウーファー、コンソールで構成されるシステムというと、接続もたいへんだろうと思われそうだが、予想に反してかなり簡単だった。一番大変だったのはそれぞれを箱から出す作業くらいで、あとはそれぞれのサイズも小さいので、設置はまったく簡単。

 コンソールとスピーカーケーブルは端子がそれぞれ色分けされているので、同じ色のケーブルと端子をつなぐだけ、スピーカーとの接続もコネクター式なのでカチッとはめるだけだ。ケーブルの色分けなどの工夫は、国産のモデルでも採用しているが、専用ケーブルに着脱が簡単なコネクター式とするなどの充実度では国産モデルはかなわない。なぜなら、国産モデルはエントリー層に向けたモデルが多いため、そこまでコストをかけられないからだ。

 接続が終わり、電源を入れる。ここで自動的に新機能の自動セットアップ機能「Unifyテクノロジー」による初期設定がスタートする。これが極めて簡単かつ至れり尽くせりの親切仕様なのだ。

テレビなどとの接続を終えて、電源を入れたときの画面。ここから初期設定がスタートする

テレビなどとの接続を終えて、電源を入れたときの画面。ここから初期設定がスタートする

まず、表示言語を日本と英語から選択する。画面の左下にはリモコンが表示され、選択に使用する十字キー部分が点灯している

まず、表示言語を日本と英語から選択する。画面の左下にはリモコンが表示され、選択に使用する十字キー部分が点灯している

初期設定開始のメッセージ。ホームシアター機器を導入することでこれからのライフスタイルが変わっていくような期待感がある。さすがはエンターテイメントの国、アメリカの製品だ

初期設定開始のメッセージ。ホームシアター機器を導入することでこれからのライフスタイルが変わっていくような期待感がある。さすがはエンターテイメントの国、アメリカの製品だ

スピーカー接続のチェック画面。画面で印のついたスピーカーからテスト音が再生されている。色分けのケーブルをきちんと確認して接続を行なえば、まず間違えることはない

スピーカー接続のチェック画面。画面で印のついたスピーカーからテスト音が再生されている。色分けのケーブルをきちんと確認して接続を行なえば、まず間違えることはない

 初期設定では、まずスピーカーなどが正しく接続されているかどうかのチェックからはじまるが、これがすべてGUIによるステップ・バイ・ステップで行なわれる。もちろん日本語表示(英語表示も選択可能)。安価な海外製品の日本語表示には、日本語フォントの質が悪く、読みづらいものもあるのだが、本機の場合はきれいなゴシック体のフォントが使われ、比較的小さめの文字表示ながらジャギーも目立たず読みやすい。

 基本的に言葉による説明に加え、イメージイラストと操作に使うリモコンのボタンを表示するスタイルで設定は進むのだが、国内製品のように子供っぽいイラストが使われることもなく、イメージ写真がカッコイイ。こういったセンスは日本の家電製品にはほとんど見られないし、逆にここまで親切なガイドは海外製品では珍しい。海外ブランドで価格も高価なボーズが日本で人気が高いのもこうした理由が大きいだろう。

「ADAPTiQ」のスタート画面。すべて画面に指示が出るので、作業は簡単

「ADAPTiQ」のスタート画面。すべて画面に指示が出るので、作業は簡単

なるべく静かな環境で測定を行なうように注意を促すメッセージ画面

なるべく静かな環境で測定を行なうように注意を促すメッセージ画面

 スピーカー接続のテストが終わると、そのまま「ADAPTiQ」による自動音場補正に移行する。ちなみに初期設定では、この後も接続したBDレコなどの操作設定など多岐に渡っている。初期設定としてはかなり時間がかかるが、これから説明する主な内容を知れば、それも納得してもらえるはず。

 自動音場補正は基本的には国内メーカーのホームシアター機器やAVアンプが採用しているものと同じ考え方で、測定用マイクとテストトーンを使って各スピーカーの距離や音量、部屋の環境による音色の補正などを行なう。

自動音場補正機能「ADAPTiQ」で使用するヘッドセット型マイク。マイクのみなので、ヘッドホンとしては使えない

自動音場補正機能「ADAPTiQ」で使用するヘッドセット型マイク。マイクのみなので、ヘッドホンとしては使えない

測定用マイクを用意し、前面の端子に接続、頭部にヘッドセットを正しく装着する方法など、イラストを使って懇切丁寧に指示される

測定は、視聴する位置を変えながら5ヵ所で行なう。マルチポイントでの測定はサービスエリアを広げる効果があるので、なるべくいろいろな場所で測定しておこう。すべての場所で測定が終わったら、作業は終了だ

 ユニークなのは、測定用マイクがヘッドセット型になっていて、測定をユーザーが頭に装着した状態で行なう点。測定中はじっとしていなければならないが、ひとつひとつの測定は数十秒で行なわれるので、それほど苦痛ではない。視聴位置を変えて5ヵ所で測定をしたら、音場補正は完了だ。

「ADAPTiQ」完了の画面。測定した結果の詳細などは表示されず、後から微調整したりすることもできない

「ADAPTiQ」完了の画面。測定した結果の詳細などは表示されず、後から微調整したりすることもできない

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中