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週刊 PC&周辺機器レビュー 第62回

ナナオ FX2301TVの倍速表示とサラウンド機能を試す

2010年07月09日 12時00分更新

文● 池田圭一

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 最後に操作感についてもあげておこう。FX2301TVは地上デジタル放送チューナー内蔵によるテレビ機能を持ち、赤外線リモコンが付属する。各種設定を行なうOSFメニューは簡素なもので、階層も深く本体側のボタンでは操作しにくいのだが、リモコン付属によって非常に扱いやすくなった。

 表示モードはデフォルトのオフセット値として、Power(PC)/テキスト/ピクチャー/ムービーの4種を用意する。さらに各入力ポート別の設定は「カスタム」モードとして記憶され、入力信号に応じて自動的に切り替わる。

お詫びと訂正:掲載当初、カスタムモードが自動的に切り替わらないと記載しておりましたが、正しくは切り替わります。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2010年7月11日)

Power(PC)

カラーモードを試す。最も標準的なモードがPower(PC)

テキスト

文字表示に適したテキストモード。暖色系にシフトさせ目の疲れを和らげている

ムービー

ムービーモードではやや寒色系となり、雰囲気のある表現となる

 ところが、内蔵地デジチューナーはディスプレーとの機能融合が低く、設定メニューなども統一性がなく、まったくの別物となっている。今回はB-CASカード関係でのトラブルによりテレビ視聴の品質については言及できないのだが、電子番組表の表示などもFX2301TVの表示品質に適したものではなく、機能的にも間に合わせ感が強いものだった。

電子番組表の表示

電子番組表の表示。テレビ視聴に必要な最低限の機能というレベルで、文字サイズの変更や横方向への表示などはできない

 FX2301TVは、ユーザーからの多大な信頼を得るEIZOブランドに恥じない製品である。そのスタイルや表示の均一・安定性、製品としての信頼性といった点では、普及製品と比べ圧倒的に高品質だ。しかし、最近のトレンドとも言える超解像機能はなく、やはり昨今の流れである省電力においても、達成度は低い。

 6月のレビューで紹介した「RDT232WM-Z」は、同等の液晶パネルを採用し、同じような倍速表示機能(+超解像)を搭載して、実売価格が5万円前後。一方で、今回のFX2301TVはゲームユーザーに向けてのアピールが積極的に行なわれており、高い表示性能とサラウンド音声は確かに魅力的なのだが、EIZOダイレクトで9万9800円と、10万円近い価格設定となっている。テレビ機能があることでエコポイント対象商品(7000点)になっているが、気軽には手を出しにくい製品なのも事実だ。

FORIS FX2301TV の主な仕様
パネルサイズ 23型ワイド(ノングレアタイプ)、TN液晶
解像度 1920×1080ドット
視野角 左右160度、上下160度
最大輝度 300cd/m2
コントラスト 1000:1
応答速度 3ms
映像入力 HDMI×2、DVI-D、アナログRGB、D5×2、コンポジットビデオ
サイズ 幅547×奥行き275×高さ445mm
質量 約9.1kg(スタンド込み)
価格 オープンプライス(EIZOダイレクト価格 9万9800円)
■Amazon.co.jpで購入

筆者紹介─池田圭一

月刊アスキー、Super ASCIIの編集を経てフリーの編集・ライターに。パソコン・ネットワーク・デジタルカメラなど雑誌・Web媒体への企画提供・執筆を行なう一方、天文や生物など科学分野の取材記事も手がける。理科好き大人向け雑誌「RikaTan」編集委員。デジイチ散歩で空と月と猫を撮る日常。近著は「失敗の科学」(技術評論社)、「光る生き物」(技術評論社)、「これだけは知っておきたい生きるための科学常識」(東京書籍)、「科学実験キット&グッズ大研究」(東京書籍)、「やっぱり安心水道水」(水道産業新聞社)など。


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