おもなターゲットをパーソナル利用に絞り込んだ20~27型ワイドサイズの液晶ディスプレーは、今やフルHD表示対応はあたりまえ。その次のステップとして、地デジチューナーの内蔵や超解像技術など、より快適な動画表示を実現させた製品が出始めている。
パソコン用ディスプレー製品では以前から定評のある三菱電機も、渾身の1台となるDiamondcrysta WIDE「RDT232WM-Z」を発売する。パソコン用ディスプレーでは業界初となる、倍速補間と超解像技術の実力を確認してみよう。
ユニークなスタンド、国内ユーザーに適合した製品設計
まずは外観デザインから見てみよう。一般的な23型ワイド液晶ディスプレーをわずかに大きくしただけの狭額ベゼル(幅16mm)、シンプルな操作部分など、あくまで表示品質第一主義の自己主張を抑えたブラックデザインに好感が持てる。それでいて、使いやすさを損なわないように細かいところに気を回しているのは、さすがに国内製品だ。
上方20度、下方5度のチルト機能に加え、スタンド部分の柄は3段のブロック式「ネックブロック」になっていて、挿入するブロックの個数に応じて、画面の高さを30mm刻みで調整できる。また、スタンド後部も取り外すことができ、本体ごと壁面にぴたりと寄せて設置できる。さらに、本体上部には手提げ用の持ち手を設けるなど、外装設計でのこだわりも感じられる。
一般的な液晶ディスプレー製品では、電源ユニットをACアダプター化して本体外部に出すことも多いが、RDT232WM-Zは取り扱いの楽な内蔵式である。半面、本体内部に熱がたまりやすいのか、使用時は排熱用に空けられた背面上部のスリットがかなり暖かくなっていた。
電源コネクターやパソコン接続用の主要な入力コネクター(DVI-D、アナログRGB、オーディオ)は背面底部に下向きに設けられている。また、ゲーム機やレコーダー向けというだけではないのだろうが、抜き差し頻度の高い機器をつなぎやすいように、本体左側面にHDMI(2系統)、D5映像入力などを備えている。
機能が多彩な製品なので、OSF画面(設定用の画面)も複雑化したが、そこにも一工夫がある。本体前面下部に設けた設定ボタンでは最低限の操作は可能でも、やはり使いにくいということなのだろう。専用のスティック型・赤外線リモコンを付属することで、入力信号や機能の切り替えや細部の設定が格段にしやすくなっている(従来はカードタイプのリモコンが付属)。ビデオコンテンツ再生の際などに、カウチポテト状態で離れたところからでも、表示品質を最適なものに切り替え・調整できるわけだ。
外から見える機能としては最後になるが、3W×2のステレオスピーカーを内蔵していることも明記しておきたい。場所は目立たない部分だが、オーディオ製品でも定評のある「DIATONE」ブランドの技術が投入されており、液晶ディスプレー内蔵スピーカーとして十分鑑賞に耐える音質である。
もちろんアンプ内蔵で、前面下部にはヘッドホン出力端子もある。音声入力も、ミニピンジャックとRCAコネクターの2系統があり、パソコンだけでなく携帯音楽プレーヤーの外部スピーカーとしても十分に使えるだろう。
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