iPadやAndroidタブレットの隆盛に対抗すべく、マイクロソフトが打ち出したWindows版のタブレット端末「スレートPC」。法人向けでは一部需要もあると聞かれるが、広がりを見せているとは言い難い。Windows自体の問題もさることながら、市販されているスレートPCの多くがAtomプロセッサーを搭載するため、性能面で快適さに欠ける点が、使いにくさに拍車をかけている。
そんな状況の中で、国内メーカーとしては地道にスレートPCを手がけているオンキヨーが投入する新スレートPCが、「TW3A-A31」シリーズだ。Ultrabookと同じプラットフォームを採用することで、性能面の問題を解決したスレートPCである。今回は同シリーズの中でも最上位に当たる、Core i7プロセッサーを搭載した「TW3A-A31C77H」の試作機を試用してみた。発売は4月上旬の予定である。
Ultrabookのプラットフォームで
大幅な性能向上を実現
TW3Aシリーズ最大の特徴は、冒頭でも述べたとおりUltrabookと同じプラットフォーム(コード名Huron River)を採用した点にある。一般的なスレートPCは、薄型軽量化のためにAtomプロセッサーを使用していたが、TW3AシリーズではCore i7/i3やCeleronプロセッサーを使用することで、大幅に性能が向上し、Windows 7やWindows用アプリケーションを快適に動作させることが可能になった。
TW3Aシリーズのラインナップは3種類あり、最上位のTW3A-A31C77Hは「世界初の第2世代Core i7搭載スレートPC」とされている。最も安価なCeleron 867搭載の「TW3A-A31E87H」でも、Atom搭載のスレートPCに比べればWindowsの動作ははるかに快適だったので、想定するユーセージに合わせて選べばいい。
TW3A-A31シリーズのラインナップ | ||
---|---|---|
製品名 | CPU | 直販価格 |
TW3A-A31C77H | Core i7-2677M 1.80GHz | 11万9800円 |
TW3A-A31C73H | Core i3-2367M 1.40GHz | 9万4800円 |
TW3A-A31E87H | Celeron 867 1.30GHz | 8万4800円 |
パワフルなCPUを採用した特徴と引き替えに、TW3Aシリーズはタブレット端末としては大きく重い。重さは約1.09kg。サイズは幅299×奥行き209×高さ18mmとなっている。搭載ディスプレーは11.6型ワイドサイズと、10型クラスのiPadやAndroidタブレットより一回り大きい。解像度はUltrabookでは一般的な1366×768ドットである。当然ながらマルチタッチ対応で、Windowsからは「2点のマルチタッチが可能」と認識されていた。
本体内には加速度計を内蔵していて、画面を持った向きに合わせてデスクトップが縦横に回転する、タブレット端末では必須の機能も備える。iOS端末やAndroid端末に比べると、回転時の動作がスムーズさに欠けるが、これはWindows側の制約なので致し方ない。ちなみに回転動作の有効無効を切り替えるハードウェアスイッチはなく、本体右側面にある「Fn」キーを押して表示されるユーティリティー「O-Easy」を使い、「G-Sensor」の項目をオン/オフすることで切り替えるようになっている。

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