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週刊 PC&周辺機器レビュー 第133回

Skyrimも快適? GeForce内蔵Ultrabook ASUSTeK UX32VD

2012年09月14日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 Ultrabookと言えば「薄型軽量」と「SSDを生かした高速起動・快適レスポンス」が魅力のノートパソコンだが、一方で性能面、特にグラフィックス性能については割り切った面がある。搭載CPUがIvy Bridge世代になったことでグラフィックス性能も多少向上したが、あくまで「Sandy Bridgeに比べて向上」という程度。本気でゲーム、特にグラフィックス性能を要求するゲームをするには到底物足りない。もちろん「Ultrabookでゲームを遊びたい」という人は少数派だろうが。

 ASUSTeKが発売した「ZENBOOK UX32VD」は、独立GPUを内蔵した異色のUltrabookである。GPUと高解像度ディスプレーを備えるUltrabookの実力を探ってみた。

ZENBOOK UX32VD

フルHDディスプレーにGeForce GT 620Mを搭載

 UX32VDは、13.3型ワイドディスプレーを搭載する「UX3x」シリーズのバリエーションモデルとでも言う位置付けの製品である。第1の特徴は、Ultrabookとしては初の独立GPUを内蔵した点にある。搭載GPUはNVIDIAのGeForce GT 620M。デスクトップ向けGPUで主流となりつつある「Kepler」世代……ではなく、40nmプロセスを採用した1世代前の「Fermi」世代GPUである(関連記事)。NVIDIAのOptimusテクノロジーに対応しているので、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4000と協調動作してバッテリー消費を抑えつつ、必要な時だけGPUが動作する。

 GPUの仕様を確認するツール「GPU-Z」で確認したところ、UX32VDが搭載するGeForce GT 620Mは、シェーダー数96、GPUクロック625MHz、ビデオメモリー1GB、ビデオメモリーインターフェースのバス幅は64bitという仕様であった。NVIDIAの仕様表では、ビデオメモリーインターフェースは最高で128bitまでとされているので、そこだけ半分というわけだ。なお試用機にプレインストールされていたビデオドライバーはバージョン296.44で、NVIDIAの最新ノート向けVerdeドライバー(304.79)よりはやや古い。性能面については後述のベンチマークテストにて説明しよう。

 第2の特徴は、13.3型ワイドサイズで1920×1080ドットのフルHD解像度ディスプレーを搭載する点にある。ZENBOOKシリーズのフルHDモデル「ZENBOOK Prime UX31A」と同等の、高解像度ディスプレーを備えている。Ultrabookでも、20~23型クラスの外付けディスプレーと同じ解像度でWindowsが使える。

 ZENBOOK Primeはディスプレーがサイズに比べて高解像度である点を考慮して、Windowsでの文字サイズ設定(DPI)が、標準で文字サイズ「中」(125%)になっていた。この点はUX32VDでも同様で、高解像度ディスプレーだからといって、アイコンやフォントサイズが小さすぎて見難い、ということはない。Windows 8のWindowsストアアプリのUIでも、高精細による滑らかなフォント表示が期待できるだろう。

ボディーデザインは従来のZENBOOKをほぼ踏襲。アルミ素材を生かした金属的なシャープなデザイン。フットプリントもUX31シリーズと変わらない

 第3の特徴は、ゲーム用途を意識してかストレージにSSDではなく、500GB HDDを採用した点にある。ZENBOOKのほかの製品はSSDが標準だが、最大容量でも256GB。必要ストレージ容量が増大する一方のゲームには心許ない。独立GPUを積んでゲーム用途を重視するからには、大容量のHDDの方が適当、という選択は間違っていないだろう。ただし、試用機が搭載していたHDDはHGST製の「HTS545050A7E380」で、回転速度は5400rpmとやや低速な点は気になる。

 ストレージがHDDとはいえ、UX32VDはUltrabookであるので、HDDだけでなくキャッシュ用のSSDも24GBほど搭載している。他社のHDD搭載Ultrabookには、キャッシュ用SSDを32GB搭載する製品も珍しくはない。HDDもやや遅めなので、24GBというやや少なめの容量がパフォーマンス、特にWindows起動時の速度にどう影響するのかも気になるところだ。

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