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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第27回

ニコニコ世代の「アングラ」生んだ、ヒッキーPに聞く

2010年07月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

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「お前は遠藤ミチロウになれるよ!」

―― では聴いてきた音楽について教えてください。

ヒッキーP 父親と姉の影響で、60年代70年代の王道のロック、三上寛とか吉田拓郎とか日本のフォーク、あとJ-POPですね。チャゲアス、ドリカムなど。

―― 渋い!

ヒッキーP ただ中学の時にホームページを巡っていたら、Cali≠gari(カリガリ)という日本のバンドにショックを受けました。僕はターニングポイント的に音楽に2回衝撃を受けていて、もうひとつは高校の時のボアダムスなんですけど。

―― Cali≠gariはカバーもしてますよね。その受けたショックがどういうものだったかを教えてください。

ヒッキーP まずCali≠gariを知ったことで、それまで見えてこなかった音楽の存在を知ったことですね。俗にいうビジュアル系に分類されていたバンドなんですけど、それまでの自分の常識を覆すバンドだった。そこから「売れてないゾーン」にいるマイナーなミュージシャンの音楽を発見するようになりました。



―― 売れてないゾーン!! たとえばどんなものでしょう?

ヒッキーP 今とは音楽性が全然違いますが当時のMUCC(ムック)、グルグル映畫館、あぶらだこ、などですね。

―― どうやって見つけたんですか?

ヒッキーP Cali≠gariの掲示板ですね。あのバンドを聴いている人たちの音楽の趣味ですね。洋楽だったらMogwaiとかHusker Duとか。それで音楽の趣味も、面白いと感じるポイントもまったく変わってしまいました。

―― じゃあ相当ヘヴィに音楽は聴いていますね?

ヒッキーP でも洋楽はそこまで詳しくなくて、偏ったジャンルのものしか知らないです。

―― たくさん聴いていれば偉いってものでもないので。でも音楽の趣味は同世代と合わなかったでしょ?

ヒッキーP そうですね。高校のときにバンドやりたいと思って軽音楽部に入ったんですが。全然周りの人が共感してくれなかったんですよ。

―― ああ、やっぱり。

ヒッキーP その頃は青春パンクブームでMONGOL800とか175R(イナゴライダー)が流行ってたころで。僕もCD聴きまくるほど大好きだったんですが、自分でやりたい音楽は全然別のところにあったのでバンドは組めなかったですね。だから高校の三年間は灰色の生活で。

―― ははははは。

ヒッキーP あ、でもただ一回だけ華のある瞬間があって。生徒会長が軽音楽部で、学園祭のトリで彼のバンドがバンプ・オブ・チキンの曲をやったんですよ。僕はその演奏途中でステージに乱入したんです。

―― おお、テロだ!

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ヒッキーP それを人気者がやれば「わーっ」と盛り上がったと思うんですよ。でも全然友達もいない僕がマイクを奪っても、あぜんとしている人がほとんどだった。そのあと軽音の人たちに謝りまくったんですけど、部のムードメーカー的な人に「お前は遠藤ミチロウになれるよ!」と言われました。ありがたかったですね。ちょっとだけ救われた感じです。

―― ミチロウも東北の人だもんね。ニコニコに上げている曲も音の並べ方がテロっぽいところありますよ。

ヒッキーP 「良曲を探そう」なんて見に来た人が「なんじゃこりゃ!」と思ってくれたらいいですよね。曲はスタートしてから終わるまで聴き手との駆け引きだと思うので。たぶんこの瞬間、人はこれを聴いてこう思っているだろうから、どこで裏切ればショッキングかなということは考えています。

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