ヒッキーPがアルバムを発売することになった「GINGAレーベル」
ヒッキーPの名前で知られるボカロP、大高丈宙(おおたか ともおき)が、初の一般流通アルバム『Eutopia』を発売した。発売元は七尾旅人やROVOなどのタイトルをリリースしている、ワンダーグラウンド・ミュージック。その中に「GINGA」という、ネットを軸足に置いたレーベルがあり、『Eutopia』はそこからリリースされた。
GINGAレーベルの発足は2011年の5月。ネット系のレーベルとしては後発の部類に入る。しかし、コンピレーションでリリースしているアーティストのセレクションが面白い。ヒッキーPの他には、椎名もた(ぽわぽわP)、きくお、手タレP、competor、大丈夫P、Kagem、KTG 、sansuiPなど。メジャー系の人もアンダーグラウンド系の人も渾然一体という内容で、しかもボーカロイドのキャラクターを前面に出してはいない。
ヒッキーPと言えば、コアなボーカロイドマニアにはよく知られている。しかし、メジャーで活躍しているボカロPのように、ニコニコ動画の再生回数が6桁、7桁に達するようなタイプの音楽はやっていない。最近のボカロ関係のビジネスを見慣れていると、彼のアルバムを一般流通に乗せるレーベルがあること自体、にわかには信じがたいが、それに加えてこのレーベルは、彼のアルバムを相当にプッシュしている様子なのだ。
そこで東京・下北沢にあるワンダーグラウンドの事務所を訪ね、GINGAレーベルの主宰者である曽根原僚介さんに、なぜヒッキーPをこのレーベルからリリースしたのかを聞いた。

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