消費電力と温度
最後に消費電力と温度を見てみよう。OS起動後、15分放置した状態をアイドル時、OCCTにてCPU負荷、GPU負荷を掛けた時をそれぞれ、高負荷GPU、高負荷CPUとしている。 特筆すべきは、アイドル時のi5-661の消費電力の低さだろう。CPU負荷、GPU負荷をかけても、E8600+G45と同等の消費電力を記録している。パフォーマンスで大きく上回りながら、同等の消費電力というのは32nmプロセスで作られた恩恵が多分にあると言っていい。
では、Core i5-661の温度は、どのくらいになるのだろうか。計測時の室温は13℃、測定は、HWMonitorにて行っている。CPU温度は各コアの平均値をとっている。CPUクーラーは、i5-750に付属するリテールクーラーを使用している。 まずは、アイドル時の温度だが、Core i5-661の温度は12℃と圧倒的に低い。高負荷においてもi5-750より7℃も低く、低発熱であることが伺える。
総論
結論から述べれば、i5-661は、E8600+G45というベーシックな環境を置き換えるプラットフォームとして、十分需要を満たすシステムとして一定の効果をあげるだろう。しかし内蔵されるGPUが強力かといえば、順次底上げされていくビデオカードの進化に比べると、やはり弱いという点は認識しておく必要がある。
つまるところ自作派にとって、LGA1156プラットフォームでどれだけ内蔵GPUを必要としている人がいるか? という問には応えてくれないi5-600シリーズは、中途半端という印象がつきまとう。確かに底辺層を底上げするという役目は果たすと思われるが、Windows 7時代が到来している今、GPUを搭載するのでれば、最低でもDirectX 10.1への対応と、ローエンドビデオカード並のパフォーマンスがなければ、自作派にはあまりメリットを感じられない。
その一方で、省電力な点に魅力を感じる人も多いと思われる。内蔵GPUがなければ、さらに省電力になることは確実だろう。内蔵GPUを省き、1万円半ばで購入できるようになれば、ミドルレンジ最強のCPUとして、その地位を確固たるものにするのではないだろうか。今後のIntel CPUラインナップに要注目である。
この連載の記事
-
第439回
自作PC
暴れ馬すぎる「Core i9-14900KS」、今すぐ使いたい人向けの設定を検証! -
第438回
デジタル
中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く? -
第437回
自作PC
GeForce RTX 4080 SUPERは高負荷でこそ輝く?最新GeForce&Radeon15モデルとまとめて比較 -
第436回
デジタル
環境によってはGTX 1650に匹敵!?Ryzen 7 8700G&Ryzen 5 8600Gの実力は脅威 -
第435回
デジタル
VRAM 16GB実装でパワーアップできたか?Radeon RX 7600 XT 16GBの実力検証 -
第434回
自作PC
GeForce RTX 4070 Ti SUPERの実力を検証!RTX 4070 Tiと比べてどう変わる? -
第433回
自作PC
GeForce RTX 4070 SUPERの実力は?RTX 4070やRX 7800 XT等とゲームで比較 -
第432回
自作PC
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る -
第431回
デジタル
Zen 4の128スレッドはどこまで強い?Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証詳報 -
第430回
デジタル
Zen 4世代で性能が爆上がり!Ryzen Threadripper 7000シリーズ検証速報 -
第429回
自作PC
Core i7-14700Kのゲーム性能は前世代i9相当に!Raptor Lake-S Refreshをゲーム10本で検証 - この連載の一覧へ