IBM Cognos Performance 2009レポート
BIバージンにCognos Expressを強力プッシュ!
2009年11月20日 08時00分更新
日本情報通信
上記クロスキャットと協業し、「Cognos Express PaaSトライアル提供サービス」を展開。日本情報通信は、PaaSのインフラを提供する(ブースには、パイオニアのクラウド事例パンフレットも置かれていた)。同社はもともと、SaaS、PaaS、仮想ホスティングサービス、そしてプライベートクラウドサービスなどを展開している。今回のトライアル提供サービスでは、1コアの仮想サーバーにIBM DB2 Express-CとIBM Cognos Expressを構築し、顧客はVPN経由で接続する形態をとる。試用期間は30日間だ。
同社ブースを取材中、講演「Cognosクラウド・サービスのご紹介」を行なった梁瀬昭氏がたまたまいらっしゃったので、今回のトライアル提供サービスの狙いを聞いた。梁瀬氏によれば、ターゲットはBIを使っているがROIを出し切れていないユーザーや、BI未経験のユーザー。未経験ユーザーには自社データでBIを運用し、お試しをしてもらう。ROIを出し切れずにBIに不満を持っているユーザーに対しては、Cognoss Expressを提供して製品の良さを体験してもらい、乗り換え需要に応えようというものだ。いずれも、クラウドを提供することでハードウェア的なコストをかけずにCognos Expressを体験してもらうよう、促している。
「BIは“見える化”だけではなくプランニング」という梁瀬氏が挙げる日本情報通信の強みは“実装力”。顧客の問題を抽出してKPIを策定し、各企業の形態に合致したソリューションを構築する。クラウド提供サービスでは、まずはその実装力を体感してもらいたいという主旨のようだ。
日立東日本ソリューションズ
ブースで展示されていた経営アラートソリューションは「製造業における見える化ソリューション」と名付けられており、工場現場の稼働状況を経営陣がチェックできるというもの。工場のワークフローからKPIを策定し、関連する要素をドリルダウンすることで稼働率のチェックや問題発見を行なう。
具体的には、工場の生産性を天気のアイコンで表わし、「第4製造部のプラント稼働状況が嵐のアイコンだ」となれば、そこをドリルダウン。結果的に事故報告書が上がっており、問題にたどり着くというイメージだ。経営者が現場にいなくても、特異点が抽出されてそれをドリルダウンすることで、俯瞰→問題の発生箇所までたどり着けるというわけだ。
日立情報システムズ
“統合”の名が示すとおり、過去のデータを統合してのデータウェアハウスの構築からBIツール導入までのソリューションサービスを提供する。このサービスを導入した場合の主要機能は、「レポーティング」「ダッシュボード」「スコアカード(因果関係の把握や分析結果法事。目標の進捗状況チェック)」「分析」となっている。
アシスト
“KPIによる経営の見える化を短期で構築”と謳ったソリューション。Cognosそのものと、Cognos用の管理会計テンプレートを組み合わせ、企業に散在するデータを「Connector」と呼ばれるデータ連係ツールですくい上げる。これら三位一体のパッケージで、企業のPDCAサイクルを回していくとしている。
★
今までより敷居の低いCognos Expressによって、各パートナーは未開拓であった中堅企業向けのソリューションやサービスを展開できたようだ。各社の主眼は「いかにBIを体験してもらえるか?」といった、「触れば分かる」的なアプローチに置かれている段階である。BIの話を初めて聞いて、BIに興味を覚えない経営者層はいないはず。そうした意味では、今後の普及にあたって、BI未体験/Cognos未体験の企業に対し、いかに啓蒙していくのか? が焦点となってきそうだ。
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