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BIとは? 基礎からわかる最新BI事情 第5回

ステップバイステップでPentahoを構成!

いよいよキューブを作ってWebブラウザから閲覧開始!

2010年03月05日 10時00分更新

文● 鹿取裕樹/ビーブレイクシステムズ、TECH.ASCII.jp編集部

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小さなお菓子メーカーに勤める新入社員の津井田くんは、社長の一声でBI導入検討を任されることに。お目付役の土須先輩とともに、BIの勉強を始めます。

ミク   あれ? 津井田君、ずいぶん遅くまで残っているのね。

津井田   ああミクちゃん、これからBIの設定をするんだよ。

ミク   こないだの続きなんだね。土須先輩は?

津井田   用事があるみたいで帰っちゃった。当事者意識ゼロなんだよな。

ミク   そ、そうね。まあいいじゃない。ところで今日は何をするの?

津井田   今日はね、いよいよスキーマの設定をして分析をするんだ。

ミク   なにそれ。

津井田   うん、ここで言うスキーマってのはね、以前説明があったんだけど、BIっていうかデータウェアハウスの構造に関する仕組みなんだ(関連記事)

ミク   てことは、前回のデータを関連づけるってわけ?

津井田   そうそう! そんな感じ。それでね、分析まで行っちゃおうって。

ミク   え!? じゃあ、今回はひとつのクライマックスじゃない!

津井田   そーなんだよ! 前回と同じく丁寧にやっていくから、一緒に見ていこう!

ミク   でも設定が難しそうだな。

津井田   大丈夫。最初から丁寧にやっていきましょう!

Pentahoの内部的な仕組みを理解する

 Pentahoでの多次元分析の内部的な仕組みは下図のようになる。

Pentahoでの多次元分析の内部的な仕組み

Pentahoでの多次元分析の内部的な仕組み

 この図の流れを説明しよう。

 利用者(ユーザー)はブラウザで多次元分析を行なう。ブラウザに対して多次元分析機能の画面を表示(HTMLを生成)しているのはBIサーバーの「JPivotサーブレット」というモジュールである。多次元分析機能の画面にはファクト・テーブルやディメンジョン・テーブルの定義に基づき、表が表示される。この表を表示するためには「JPivotサーブレット」がファクト・テーブルやディメンジョン・テーブルの定義を知る必要がある。

 このファクト・テーブルやディメンジョン・テーブルの定義は「スキーマファイル」に記述する。「JPivotサーブレット」は「スキーマファイル」を参照することで表の表示を行なっている。利用者がブラウザで行なったドリルダウンなどの操作はHTTPリクエストとして「JPivotサーブレット」に送信される(1)。「JPivotサーブレット」は受け取った操作内容をOLAP用の言語に変換し、「Mondrian OLAPエンジン」に渡す(2)。

 「Mondrian OLAPエンジン」は「MDXクエリ」をSQLクエリに変換し、RDBMSに対して実行する(3)。「MDXクエリ」の解析やRDBMSの物理的なテーブルに対するSQLクエリの生成の際にも先述の「スキーマファイル」を参照する。SQLの実行結果(4)は多次元データの形に加工し、「JPivotサーブレット」に返す(5)。

 「JPivotサーブレット」では「Mondrian OLAPエンジン」から受け取ったデータをもとに実行結果を画面に表示するためのHTMLを生成し、ブラウザに返す(6)。

 Schema Workbenchではこの中の「スキーマファイル」を設定していく。今回設定するのは下図のスキーマである。

設定するスキーマ

設定するスキーマ

 ファクト・テーブルfact_sales_dataが3つのディメンジョン・テーブルとkey項目で関連するスター・スキーマの構造を設定する。では実際に設定をしていこう。

次ページ「Schema Workbenchでのスキーマの設定」に続く

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