窓の円盤を何万枚も売った女が語る 『そんなの業界じゃあたりまえっちゃ!』 第2回
知らないあいだに周りに謎の「期待感」を与えてしまっていた当時
魔のフレーズ「(PC詳しいくせに)できないのぉ?」
2016年11月09日 11時00分更新
このコラムを読んでいただいている方で、パソコンを実は「使ったことがない」方はいらっしゃいますでしょうか? 恐らくゼロに近いのではないかと思います。今でこそ生活に浸透しているパソコンですが、20年くらい前だと使ったことのある人がまだ少数派で、一般人にとっては「機械の箱」のようなものだったと思います。
うん、まぁ... 自分は30年近く前から使ってるけどな! ありがとう父ちゃん!
そのため、当時はパソコンが使える人=家電も使える人、と思っている人が今よりも多かったような気がします。もちろん今も思われている節がありますが……。恐らく「パソコンは難しい」というイメージがそうさせているのでしょうね。
が、実際はそうでもないです。自分、家電基本使えないから。
パソコンが使えるばっかりに、知らないあいだに周りに謎の「期待感」を与えていることもしばしばありました。が、時としてそれは空振りに終わることがあります。
その期待感を裏切りたくないばっかりに自分の力を投資して、結果得るものがあるのもまた事実です。
「窓95」が発売になった頃。
我が家にパソコンが本格的に導入されたのと同時に、それまで使っていた10年オーバーの家電たちが次々に倒れ、最新の家電たちがその分増えました。
そして、最新の家電と同時に増える「ボタン」。
テレビのリモコンには数字以外のボタンが増え、今まで開くだけだった冷蔵庫の扉にもボタンが増え、つまみをまわすだけだった電子レンジにもボタンが増えています。
どーも自分、この「ボタン」が苦手でな……。
はじめにこれを押して、次にこれを押して、最後にこれを押して……。なぜごはんを温めたいだけなのにボタンを数回、そしてつまみも回さなきゃならんのだ?
パソコンは電源ボタン押したら一発で使えるぞ!
そんなこんなで、すべて母親に聞きながら家電を使う毎日。「いいかげん覚えなさいよ」と言われるも、どうしても覚えられない。
さすが母親は毎日使うだけあって、数日の間には最新の家電たちを使いこなしていました。私は私で窓95に集中。まだ画面が真っ黒で音も「ピコ」くらいしか聞いたことのない時代からパソコンを使っていた自分にとって、カラーでいろんな内蔵音がなる窓95はまさに格好の遊び相手でした。
そんな自分の姿を見ていた母親、パソコンは使えるのに電子レンジが使えないのが解せなかったんでしょうね……。ある日、ついに母親キレました。
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