持続可能な都市インフラを世界へ。SusHi TechでG-NETS首長級会議を併催、高市早苗首相も登壇
「SusHi Tech Tokyo 2026」開幕レポート
持続可能な都市を先端技術で実現することを目指す「SusHi Tech Tokyo 2026」が4月27日から29日にかけて東京ビッグサイトで開催された。世界60の国・地域から770社以上のスタートアップが出展し、のべ6万人が来場する過去最大規模の開催となった。
会場では、AI、ロボティクス、レジリエンス、エンターテインメントの4領域を軸に展示やセッションが展開されたほか、世界の都市リーダーが集まるG-NETS首長級会議なども併催された。本記事では、初日である27日の会場の様子をレポートする。
小池都知事が示した都市戦略とG-NETS首長級会議の開幕
オープニングでは、東京都知事の小池百合子氏が登壇し、本カンファレンスの位置づけと今後の方向性について説明した。
冒頭では、SusHi Tech Tokyoがアジア最大級のイノベーションカンファレンスへと成長したことに触れ、「持続可能な都市を先端技術で実現する」というビジョンを改めて提示した。
また、不安定な国際情勢や自然災害、エネルギー問題、AIの急速な進展といった環境変化を挙げ、そのような背景の中で都市の課題解決に取り組む必要性を強調した。
続いて、東京都が掲げるスタートアップ戦略「10×10×10」の進捗について説明。5年間でスタートアップ数、ユニコーン数、官民協働数をそれぞれ10倍にする目標のもと、これまでの4年間で約1000社と協働してきたことや、スタートアップの市場価値が拡大している点に言及した。
スタートアップ支援策としては、「SusHi Tech Global」を紹介。選抜したスタートアップを集中的に支援するとともに、官民連携による投資の流れを拡大していく方針を示した。
今年の重点分野としては、「AI」「ロボティクス」「レジリエンス」「エンターテインメント」の4領域を提示。登壇者の半数以上を女性が占めるなど、多様性を意識した運営にも触れた。
中盤には、海外ゲストとして台湾の環境部長である彭啓明氏、エストニアのデジタル・法務大臣であるリーサ・リィ・パコスタ氏が紹介され、それぞれ挨拶を行った。
最後に、本イベントと並行して開催されるG-NETS首長級会議の開幕を宣言し、各都市のリーダーをステージに招き入れた。
G-NETS(Global City Network for Sustainability)は、東京都が主導して立ち上げた都市間ネットワークで、都市が直面する共通課題に対して連携して取り組むことを目的としている。今回の首長級会議には、五大陸から55都市が参加し、過去最大規模での開催となった。
議論のテーマは「気候・災害レジリエンスで切り拓く都市の新しい未来」。自然災害への対応や脱炭素、都市の緑化、AI・デジタルの活用などについて、都市単位での取り組みや連携のあり方が議論される。
会議の成果は共同声明として取りまとめられ、各都市がレジリエンス強化に向けた具体的な行動を共有する形で発信される予定だ。
高市早苗首相が登壇、スタートアップ政策の強化を表明
同日16時から行われた「スペシャルキーノート ―変革と成長を牽引するスタートアップへの期待―」には、小池知事に加え、特別ゲストとして内閣総理大臣の高市早苗氏が登壇した。
高市首相は、小池知事が掲げる「持続可能な都市を先端技術で実現する」というコンセプトに言及し、本イベントに世界各国からスタートアップや投資家、都市のリーダーが集まっている点に触れた。そのうえで、スタートアップは研究成果の社会実装を担う存在であり、日本経済においても重要性が高まっていると説明した。
また政府として、「スタートアップ育成5か年計画」を強化し、先端技術の社会実装を加速させる方針を示し、本イベントで生まれる取り組みとの相乗効果に期待を示した。
1階はロボットやアニメでにぎわい、上階は照明を落とした商談空間に
会場は朝から来場者でにぎわった。フロアをつなぐエスカレーターには列ができており、移動にも時間がかかる場面が見られた。海外からの参加者も多く、2023年の初回から見られる傾向ではあるが、中東諸国とみられる要人の姿も目立っていた。
会場はフロアによって雰囲気が大きく異なる。1階のWest1・2ホールやアトリウムは、フード、フィジカルAI、ロボット、アニメなど視覚的にわかりやすい展示が並び、明るく開放的な空間だ。
一方で、上階のWest3・4ホールに上がると、空気は一変する。照明は抑えられ、ブースは壁が高く設計されている。間接照明の影響もあり、オープンな展示会でありながらもプライベート感のある落ち着いた空間となっていた。
エネルギー・防災・素材など都市基盤系のディープテックが集結
上階の展示内容は、宇宙、エネルギー、防災、素材といったディープテック領域が中心だ。電池や分散電源、水・グリーンインフラ、カーボンリサイクルなど、都市の基盤を支える技術が並ぶ。 G-NETSで議論される都市課題と重ねて見ると、展示と政策の方向性が対応している構成になっていることがわかる。
なお、会場で取材したスタートアップについては、エネルギー/脱炭素、宇宙、農業、先端素材、ヘルステックといったテーマごとに次回以降で詳しく紹介していく。
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