中東と日本の農業のいい関係。石油から植物へ変わるポリマーの話
中東が揺れると野菜が高騰する
中東情勢が落ち着かず、今年もまた野菜や肉の値段が上がりそうだ。日本の農家は肥料を輸入に依存しているし、燃料費が上がれば農業コストにも跳ね返る。
そんな緊迫した中東だが、砂漠地帯なので食料自給率はめちゃくちゃ低い。争いの火種には、やっぱり水と食べ物の事情もあると思うのだ。一方で近年は、彼らの農業をなんとかしようと、日本の技術が貢献している。
水がない土地でどう育てる? 土に水をためるEFポリマー
中東の農業問題は、「水が足りない」に尽きる。雨はほとんど降らず、土壌もやせている。水を遠くから運ぶことはできるが、そのぶんコストがかかり、安定性にも限界がある。水をどう確保するかが、農業の成立条件そのものになっている。
こうした課題に対するアプローチのひとつが、沖縄科学技術大学院大学発スタートアップのEF Polymer株式会社が開発する「EFポリマー」だ。果物の皮などの作物残渣からつくるポリマーで、土に混ぜると水を吸って保持する性質を持つ。イメージとしては、土の中にスポンジを仕込むようなものだ。
このポリマーを使うと、土壌が水をため込めるようになるので、少ない水でも作物の生育を支えることができる。乾燥地で農業を成立させるには、遠くから大量の水を引っ張ってくるよりも、その場にとどめて使うほうが現実的だ。さらに、水と一緒に肥料成分が流れにくくなるため、徐々に土壌が肥え、持続可能性の面でもメリットがある。
プラスチックはポリマーでできている
こうした技術の背景には、日本が長年積み上げてきたポリマー分野の強みがある。ポリマーというと、紙おむつや除湿剤に使われる吸水材を思い浮かべるかもしれないが、プラスチックや合成ゴムなども含めた、より広い素材の総称である。
そしていま、このポリマーの世界でも変化が起きている。脱炭素や環境対応の流れの中で、石油由来の素材だけでなく、植物由来のポリマーや生分解性ポリマーへの置き換えが進みつつある。
石油をもらう関係から、技術を返す関係へ
かつては中東から運ばれてきた石油からポリマーをつくっていたが、いまは日本が生み出した植物由来のポリマーを中東の農業で使おうとしている。そうしたやり取りが積み重なり、水や食料の問題が和らいでいけば、地域の安定にもつながっていく。遠回りに見えるが、こうした技術交流の積み重ねが、結果的に平和に近づく一歩になるのかもしれない。
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