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私→WRC第39回

五十の手習い!? イチ編集者がラリーのコドライバーに挑戦!

文●スピーディー末岡 写真●WPMS 編集●ASCII

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おじさんになってから
新しいことを始める大変さ

 五十の手習いとは、高齢になっても何かを始めるのは遅くない、ということわざだ。もうアラフィフである筆者がそれをまざまざと体験させられたのが今回の企画である。

 それはゴールデンウィーク開けにやってきた。ASCII.jpでラリーの連載をしているウェルパインモータースポーツ(以下WPMS)の松井監督から電話があり、「5月20~21日に福井の勝山でやるラリーのコドライバーをやってよ」と無邪気に言ってくる。おいおい、もう2週間後じゃないか。筆者(スピーディー末岡)はモータースポーツファン歴も長く、サーキット走行の経験もあるが、あるとき鈴鹿サーキットで車を全損してしまってからはもっぱら観戦、もしくは取材のみになっていた。

 ちょうど4月に国内Bライセンスを取得し、「Bライ競技」(ジムカーナやラリーなど)と呼ばれるカテゴリーには参加できる資格を持っている。だが、いずれも参加したことのない、まるっきりの素人だ。悩んでいると松井監督は「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジっていう入門向けラリーだし、そもそも0カーだから大丈夫だよ!」とたたみかけてくる。0カー(ゼロカー)とは、競技車両がスタートする前に安全確認のために走るオフィシャルカーのこと。攻める必要はないが競技速度で走らないといけない。そのマシンのコドラをやれと……。

4月に発行されたばかりのBライセンス

 聞けばドライバーはいつもの村田康介選手だという。だったら梅本まどか選手がコドラなんじゃないの? 「急に決まったからスケジュール空いてなくてさ。で、スエミィーさんどうかなって」と松井監督。ちなみに、筆者はモータースポーツ界隈ではスエミィーと呼ばれている(以前所属していたグッドスマイルレーシングの名残)。

村田康介選手

 ヘルメットとかスーツとか装備一式貸すから~と言われ、最近新しいことにチャレンジしてないし、「んじゃまあ、やってみっか!」と引き受けたのだった。

金曜の夜に、自走で飛騨高山まで行き前泊。次の日の朝に勝山へ、という行程だった

通常業務をしながら
ルールを頭にたたき込む

 まずTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ(以下、TGRRC)について説明すると、プロクルーズが主催する入門向けラリーで、1年間で全11戦、日本全国北海道から九州まで転戦する。出場しているマシンはヤリスやヴィッツ、アクアや86といったトヨタ車がメイン。中にはサクシードやC-HRなんて変わり種も走っている。特にサクシードは元スピードスケート金メダリストの清水宏保選手がドライブしていたりする。

今回のTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ

 また、入門カテゴリーなだけあって、全行程が非常にコンパクト。全日本ラリーでも木曜日くらいから現地入りしてレッキ(下見走行)をするし、ラリージャパンにいたってはクルーはほぼ1週間~10日ほど拘束される。だがTGRRCの場合は土曜日にレッキをして日曜日の朝から昼過ぎにかけて競技を行ない、夕方には撤収する。日曜の早朝もレッキができるので、なんなら1日で終わらせることも可能だ。

 今回参加した福井県の「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 2023 in 恐竜 勝山」はSS走行距離が6.6kmだった。今年の新城ラリーのSS走行距離が80km前後、昨年開催されたラリージャパンのSS走行距離が300km弱だったので、いかにコンパクトかがわかるだろう。

ナットを締めるレースクイーンたち。それを見守る村田選手

 そんな初心者向けのTGRRCだが、毎回定員になるほど参加者が多い。松井監督いわく「エントリー受付開始から10~20分くらいで締め切られてしまう」そうだ。人気バンドのチケット争奪戦っぽい……。実際、今回も70台以上のエントリーがあり、その半分がラリー初心者だった。まずはこのTGRRCでラリーという競技を体験し、そこから全日本などにステップアップしていくというわけだ。

 初心者向けラリーであること、競技車両じゃなくて0カーということ、運転手じゃなくてコドライバーであること、ドライバーはいつも運転を見ている村田選手であること。なんとなくこれなら大丈夫かも……と思えてきた筆者。それが甘いということを、この先思い知らされるのだが。

競技の前に下見走行をする0カー。この日は00カー(ダブルゼロ)もいたが、ラリーによっては000カー(トリプルゼロ)もいる

 まずやらねばいけないことは、ルールを覚えること。何度も取材しているので外から見たルールはわかるが、競技者としての細かいルールはわからない。TGRのサイトにある「ラリー講習会テキスト」を通常業務の合間に確認して、コドライバーはどういう動きをすればいいのか、何をしてはいけないのかを頭にたたき込んでいく。「実はコドラのほうがやること多いんだよ」と松井監督はニヤニヤ。とはいえ、何を気をつければいいのか、やっぱり実際にやっている人に聞いてみようと、梅本まどか選手に連絡をとった。

 コドラは持ち物が多いから、雨に濡れない対策を~とのことだったのZIPロックを購入(晴れたので使わなかったが)。また、ノート作成に必須のシャーペンや消しゴムが入る筆箱も用意したほうがいいとのこと。あとはコマ図(ラリーの行程を示すルートマップ)の見方やラリーコンピュータの使い方も教わった。

ロードブックとペースノートを持った筆者

 当日の資料はすべてタブレットに入れて、勝山までの道中、ずっと読んでいた(運転は松井監督)。だいたい頭に入ったし大丈夫だろうと、金曜の夜は余裕だったのだが……。

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