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脳内イメージが可視化できる? 期待したいIoT、AIスタートアップ5社

第47回NEDOピッチ「IoT、AI Ver.」レポート

特集
JOIC:オープンイノベーション・ベンチャー創造協議会

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手術支援AIシステムで手術合併症の減少を目指す
アナウト株式会社

 内視鏡手術やロボット支援手術の登場により、医師の眼や手を支援することができるようになってきた。しかし医師の認識を支援するツールはまだない。アナウト株式会社はAI技術を用いて手術領域に含まれる構造物(臓器や神経、血管など)を認識、色付けすることによって医師の認識・判断を支援する手術支援AIシステムの開発を行っている。

アナウト株式会社 取締役医師 熊頭 勇太氏

 技術革新を含め、外科医療は着実に進歩しているが、外科医療の最大の課題である手術合併症(手術を原因とする有害な症状)は克服できていない。合併症が生じると、患者の心身に苦痛を伴い、入院費用や期間は増大する。また治療に当たった医師の精神的疲労や労働負荷も悪化させてしまう。重篤な合併症は約11%も発生していると報告されており、内視鏡やロボット手術などによる技術革新にもかかわらず減少の傾向はない。

 合併症の原因の3割は術中の認識エラーによるものとされている。外科医も人間である以上、疲労や長時間手術により集中力は低下してしまうが、認識力の向上によって合併症が避けられる可能性がある。

 手術支援AIシステムは手術内視鏡システムや手術支援ロボットおよび医療用モニターと接続し、内視鏡等から得られた画像データをリアルタイム解析する。そしてそこに含まれる構造物ごとに異なる色付けを行う。例えば結合組織を青、膵臓を白、神経を緑、血管をピンクに色付けする。色付けによって見やすく表示することで手術中の医師の認識を支援する。

左:オリジナル画像、右:着色後画像

 手術支援AIシステムは高い解析精度と手術中のリアルタイム解析を可能にする高速性を両立している。また、多様な手術に含まれる様々な構造物に適応できる汎用性を持ち、現役医師の知見を活用して外科医の知見にフィットした表示方法を実現している。これは社内の外科医とエンジニアとの密接な連携のなせる業でもあるが、加えて多数の協力病院・医師ならびにそこから提供される豊富なデータが基盤にある。

 既にプロトタイプをいくつかの教育現場に導入しており、医師や学生に利用してもらってそのフィードバックを受けている。2023年からの販売を計画しており、2028年には外科医療における次世代スタンダードプロダクトとなることを目指している。

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