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最新パーツ性能チェック 第367回

ゲーム性能からクリエイティブ性能まで、インテル/AMD最上位CPUを比較

Core i9-12900KS最速レビュー!最大5.5GHzの第12世代Core最上位CPUはライバルを圧倒する?

2022年04月05日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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「Lightroom Classic」はDDR5メモリーの影響が出る

 「Lightroom Classic」のパフォーマンスはUL Procyonで確認したばかりだが、筆者がいつも実施しているやり方でも検証しておこう。61メガピクセルのDNG画像(調整付き)を100枚準備し、それを最高画質のJPEGに書き出す時間を比較する。書き出し時にシャープネス処理(スクリーン用、適用量は標準)も付与している。

「Lightroom Classic」によるDNG→JPEG出力時間

 Lightroom Classicについてはすでに第12世代Core、特にDDR5メモリーとの組み合わせで処理性能が爆発的に向上することを確認している。今回Core i9-12900KSがRyzen 9 5950X/5900Xに対して約1分~1分半早く処理を終了しているのもそれを裏付けている。ただし、Core i9-12900Kと12900KSを比べるとまったくといっていいほど差が出ていない。Lightroom ClassicのCPUの使い方だと、少々クロックが上がった程度では意味がないようだ。

ハナ差で5950Xを差し切った「Media Encoder 2022」

 続いては「Media Encoder 2022」を使った動画エンコードテストだ。まず、再生時間約3分の4K動画を「Premiere Pro」で編集し、それをMedia Encoder 2022にキュー出しして4KのMP4形式にソフトウェア(CPU)エンコードした。ビットレートは50MbpsのVBR 1パスとし、フレーム補完はオプティカルフローを選択した。コーデックはH.264とH.265を使用している。

「Media Encoder 2022」によるエンコード時間

 まず、H.264ではどのCPUにおいても差が出ていないが、これはH.264の処理がかなりGPUに寄っているためである。反面H.265はCPUパワーが活きてくる。今回のテストでCore i9-12900KSは、Core i9-12900Kに対して処理時間が10秒短いが、クロックがちょっと上がっただけのCPUではこの程度といったところだ。また、クロックを引き上げたことで、スレッド数で負けるRyzen 9 5950Xと同等の処理性能を手にできた。とはいえ、価格を考えると現状8万円台のRyzen 9 5950Xの方が安いうえに安定して速いことは間違いない。

Ryzen 9に1分程度差をつけた「After Effects」

 Adobe系検証の最後は「After Effects」だ。今回は再生時間10秒の4K@59.95fps動画をAfter Effectsにインポートし、「3Dトラッキング」で解析する時間を計測した。計測にあたっては前もってキャッシュを消去している。

「After Effects」3Dトラッキングの処理時間

 ここでもCore i9-12900KSとCore i9-12900Kの差は10秒かかっていない。この処理はさほどCPUコアを使わない(高負荷がかかるのは2〜3コア程度)のと、負荷が安定しないタイプのテストであるからと推測している。なお、Ryzen 9 5950XやRyzen 9 5900Xと比べて1分程度の差をつけている。この処理でも第12世代Coreは強いようだ。

Windows 11で生まれ変わった「Handbrake」

 クリエイティブ系最後は「Handbrake」だ。昨年の第12世代Core発売直後のレビューでは、Widows 10環境+第12世代Coreの組み合わせだとPコアが使われないため、処理時間が非常に遅くなることが判明したが、Windows 11では異なるようだ。

 再生時間約3分の4K/60fps動画をプリセットの「Super HQ 1080p Surround」と「H.265 MKV 1080p30」を使い、フルHD動画にエンコードする時間を計測する。

「Handbrake」によるエンコード時間

 第12世代CoreとHandbrake特有の問題はWindows 11環境で劇的に改善され、PコアもEコアも使われるようになった。今回はさらにMTP無制限設定の効果も上乗せされたことで、Core i9-12900KSやCore i9-12900KはRyzen 9 5950Xをわずかに上回るスピードで処理を終えた。ただ、Core i9-12900KSとCore i9-12900Kの差はAdobe系アプリの検証結果と同様に極めて小さい。Core i9-12900KSのコストをペイできるような差はないといえるだろう。

クロック上昇の恩恵が希薄な「3DMark」

 本命のゲームパフォーマンスの検証に入る前に、3Dグラフィックの描画パフォーマンスを「3DMark」で検証する。今回は“Fire Strike”“Time Spy”の2本を実施した。

「3DMark」Fire Strikeのスコアー

「3DMark」Time Spyのスコアー

 どちらのテストにおいても、Core i9-12900KSはCore i9-12900Kを数字的には上回っているが、明確な差といえるほどのものではない。特にフレームレートへの影響が大きいGraphicsテストの増分は1%未満。増分の一番多かったテストはFire StrikeでPhysics、Time SpyでCPUだが、スコアーが伸びるのはCPU“しか”使わない項目でのみだ。

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