オープン3D都市モデル「PLATEAU」一般市民が握る普及の鍵
テーマは「シビックテック」 PLATEAU CONNECT Session 01レポート
PLATEAU CONNECT Session 01開催
PLATEAUとシビックテックの組み合わせによる可能性
現実の都市空間を3D都市モデルとして再現する国土交通省のプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」。そのPLATEAUを軸に、さまざまな領域の有識者が参加して、都市空間データを利用した新しい事業創造を社会全体で惹起していくためのトークセッションイベントが「PLATEAU CONNECT」だ。
11月に開催された初回、Session 01の議題は「3D都市モデル×テクノロジーによる市民参加の未来」。PLATEAUはオープンデータ化プロジェクトであり、市民目線の政策形成を社会実装する、いわゆる「シビックテック」による事業創出が期待されている。
ゲストとして登壇したのは、東京都立大学都市環境学部 都市政策科学科都市環境科学研究科 都市政策科学域 教授の饗庭 伸氏、株式会社ホロラボ 取締役COOの伊藤 武仙氏、株式会社VRC 代表取締役社長の謝 英弟氏の3名。3名それぞれの事業領域を紹介しながら、国土交通省でPLATEAUプロジェクトを統括する内山 裕弥氏がモデレーターを務め、PLATEAUとシビックテックを掛け合わせることによる可能性について議論した。
素人が作るから、想像もつかない面白いものが生まれる
東京都立大学の饗庭 伸氏は、市民参加型のまちづくりの研究を進めている。
駅前の開発について、都市の模型を使用しつつ市民たちと意見交換をしながら駅前の再開発案を議論したり、ロープやシートを用いて1メートル四方の空間を実感するところから、心地よい空間づくりを生徒たちと考案したりといった、ユニークな取り組みが紹介された。かつての「セカンドライフ」流行時には、当時の学生が制作したプラットフォーム「virtual plat city」をセカンドライフ上で用い、街づくりのマネジメントを授業に取り入れたこともある。
饗庭氏は、自身の授業の様子を紹介しながら、「建築家は、図面を作って設計を進めていくが、素人は図面が書けないので、手で考える。素人には限界があるが、図面でなく、身体や手を使って考えることで、見たことのないものができることもあるのが面白い。この考え方をデジタルに持ち込むと、可能性がどう広がるのかは、いま強い興味を持っている分野だ」と話した。