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Windows情報局ななふぉ出張所 第158回

オランダの主流はデビットカード:

日本とキャッシュレス先進国の違い

2019年06月27日 16時00分更新

文● 山口健太

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 6月中旬より、欧州に来ています。1年の中で最も旅行に適したシーズンでもあり、どこに行っても観光客だらけです。

 まずはオランダのアムステルダムに滞在しました。キャッシュレス先進国としても知られるオランダですが、日本と比べてどう違うのでしょうか。

■交通系ICカードでサクサク移動

 アムステルダムの空港に着いて、鉄道やバスで移動を始めるときに便利なのが、ICカードの「OVチップカード(OV-Chipkaart)」です。オランダ鉄道やメトロ、トラム、バスなどオランダ全土の交通機関で利用されています。

アムステルダム空港駅で「OVチップカード(OV-Chipkaart)」を入手

 他の国では、ロンドン交通局が発行するオイスターカード(Oyster Card)のように都市ごとにICカードが分かれていることが多いのですが、オランダではデンマークのライセコート(Rejsekort)のように全国で同じICカードが使えます。

 ただ、旅行者が使うには難点もあります。カード自体はSuicaと同じように券売機で買えますが、カード自体の価格である7.5ユーロに加え、オランダ鉄道に乗るためには20ユーロ、トラムやバスでは4ユーロの最低残高が必要です。

 交通機関に乗るときに最低残高が差し引かれ、降りるときに運賃が精算され、カードに戻される仕組みです。改札のない鉄道駅やバスなどでチェックアウトの操作を忘れると残高が戻ってこないのは、不慣れな旅行者に厳しい仕様です。

空港駅には改札がなく、代わりに読み取り機が立っている

駅によっては改札が設置されているが、出入りは自由でチケットなしでも通過できる

 最低残高をクリアするため多めにチャージしておき、不要な残高は帰国前に返金してもらう手もありますが、残高が30ユーロ以上あると欧州の銀行口座への振込による返金となるのが厄介なところです。

 また、カード自体の有効期限は5年間で、筆者が2013年に買ったカードは期限切れで使えません。この場合も窓口での返金はできず、返金を受けるには欧州の銀行口座が必要になります。

2013年に買ったカード(右)は2018年に有効期限が切れた。今回2枚目を購入

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