このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

石川温のPCスマホニュース解説 第40回

最も悪影響を受けるのはユーザーだ:

ファーウェイ騒動 日本に悪影響も

2019年05月25日 09時00分更新

文● 石川温

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

●日本のユーザーが選択肢を奪われる

 ファーウェイのスマホは、コストパフォーマンスに優れながら高性能であることから人気を高めていった。特にカメラにおいては、仕上がり具合に好き嫌いがあるかもしれないが、他社に比べて秀でたパフォーマンスを発揮する。

 現在ファーウェイは日本において、2017年と2018年にはSIMフリースマホ市場で第1位のシェアを誇るだけでなく、直近の2019年第一四半期のシェアでは第3位にまで登りつめている。

 ファーウェイといえばSIMフリーのイメージが強いが、2年ぐらい前からはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといったキャリア向け製品も定番化してきた。

 かなり前にもキャリア向け製品を手がけたことがあったが、当時は品質もブランド力もいまいちで、すぐに取り扱われなくなってしまった。しかし数年で世界的にブランド力を上げ、品質も高まり、技術的にも他社を圧倒していたことから、SIMフリー市場で圧倒的な人気を獲得、さらにキャリアでも扱われることになった。

 日本ではNTTドコモも新料金プランを導入したことで、3キャリアで「分離プラン」が一般的になってくる。

 通信料金と端末代金が分離されるため「端末もできるだけ安いもの」が好まれるようになる。そんな中、ファーウェイが提供するミドルクラスの製品はまさに分離プラン時代には最適な1台になるはずであった。だからこそキャリアがこぞってファーウェイ製品を導入してきたわけだ。

 まさに「ファーウェイ製品が買えない」というのは、日本のユーザーの選択肢を奪うことになっている。

 トランプ大統領には、なんとか考えをあらためてほしいし、習近平主席との交渉がまとまり次第、キャリアとMVNOには早急に発売延期を見直してほしいものだ。


筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン