●日本のユーザーが選択肢を奪われる
ファーウェイのスマホは、コストパフォーマンスに優れながら高性能であることから人気を高めていった。特にカメラにおいては、仕上がり具合に好き嫌いがあるかもしれないが、他社に比べて秀でたパフォーマンスを発揮する。
現在ファーウェイは日本において、2017年と2018年にはSIMフリースマホ市場で第1位のシェアを誇るだけでなく、直近の2019年第一四半期のシェアでは第3位にまで登りつめている。
ファーウェイといえばSIMフリーのイメージが強いが、2年ぐらい前からはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクといったキャリア向け製品も定番化してきた。
かなり前にもキャリア向け製品を手がけたことがあったが、当時は品質もブランド力もいまいちで、すぐに取り扱われなくなってしまった。しかし数年で世界的にブランド力を上げ、品質も高まり、技術的にも他社を圧倒していたことから、SIMフリー市場で圧倒的な人気を獲得、さらにキャリアでも扱われることになった。
日本ではNTTドコモも新料金プランを導入したことで、3キャリアで「分離プラン」が一般的になってくる。
通信料金と端末代金が分離されるため「端末もできるだけ安いもの」が好まれるようになる。そんな中、ファーウェイが提供するミドルクラスの製品はまさに分離プラン時代には最適な1台になるはずであった。だからこそキャリアがこぞってファーウェイ製品を導入してきたわけだ。
まさに「ファーウェイ製品が買えない」というのは、日本のユーザーの選択肢を奪うことになっている。
トランプ大統領には、なんとか考えをあらためてほしいし、習近平主席との交渉がまとまり次第、キャリアとMVNOには早急に発売延期を見直してほしいものだ。
この連載の記事
-
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? -
第186回
トピックス
ソニーのXRは圧倒的に解像度が高かった アップルと違い、クリエイターに特化した作りに - この連載の一覧へ