最新パーツ性能チェック 第243回
349ドルのレイトレーシング対応GPUは“脱Pascal”を実現できるのか?
GeForce RTX 2060性能検証!GTX 1070 Ti拮抗の新メインストリーム
2019年01月07日 23時00分更新
「3DMark」ではGTX 1070 Tiと激しいバトル
では定番の「3DMark」から始めよう。テストはFire Strikeより上の4テストを実施する。DXR対応の「Port Royal」は配信時期の関係で実施できなかった。
まず、RTX 2070に対してはスコアー約20%前後の減少となっており、これはCUDAコア数やメモリーバス幅のスペックダウン幅とほぼ一致する。概ねスペック通りの性能が出ていると言えるだろう。
従来モデルと比較すると、GTX 1060に対しては40~70%、GTX 1070に対してはほぼ同格~25%のスコアーアップ。格上のGTX 1070 Tiに対しても、Fire Strike Ultraのほかは勝っている。ではなぜ、Fire Strike Ultraでは負けたのか。このテストは内部的に4Kで実行され、VRAMの使用量は6GB弱なのだが、メモリーバスの細さがスコアーダウンに繋がったと考えられる。
ではここで消費電力もチェックしておこう。消費電力測定はラトックシステム「REX-BTWATTCH1」を使用し、システム起動10分後を“アイドル時”、3DMarkのTime Spyデモ再生時のピーク値を“高負荷時”とするのは今まで通り。
さらに「Shadow of the Tomb Raider」(解像度フルHD、設定は後述)をプレイ状態で放置した時のピーク値を“高負荷時(SotTR)”と、「Battlefield V」(解像度フルHD、設定は後述)でDXRを有効にした状態で「北極光:狼と犬」における特定の場所で放置した時のピーク値を“高負荷時(BFV-DXR)”とした。
全体的に3DMarkのスコアー通りの並びになっていることがわかる。3DMarkだけではそろそろイマドキの大作系ゲームの消費電力とズレが出てくるし、RTコアを使うDXRモードでは消費電力が違うということで測定項目を増やしたが、特にRTX 2060のワットパフォーマンスが悪いという印象は受けなかった。
DXRを有効にすると消費電力が1段上がる感じだが、それでも300W以内に収まる。もちろんゲームの状況次第ではもう少し増える可能性はあるが、大出力電源ユニットに乗り換えずに使えるGPUとしては、RTX 2060は良いワットパフォーマンスを備えていると言えるだろう。
続いては「VRMark」で試す。テストはOrange/Cyan/Blue roomの3つを実行した。
すでにRTX 2070などのレビューで示した通り、VRMarkのOrange Roomはスコアー11000ポイント近辺、平均フレームレートにすると250fpsあたりでキャップになるため、RTX 2070と2060はここだけを見れば性能はさほど変わらない。ただし、より負荷の高いCyan RoomやBlue Roomでは差がぐっと開く。
そして、Pascal世代のGPUに対しては、Turing世代のRTX 2060はCyan Roomのシェーダーと非常に相性が良く、スコアーの伸び率がとても良い。GTX 1070 Tiに対しては約25%のスコアーアップ、GTX 1060に対してはダブルスコアーまで伸ばしている。同じメモリーバス192bit、VRAM6GBのモデルでもここは大きな違いだ。もちろん、GTX 1060に対してCUDAコア数が段違いに多いことがスコアーアップを強力に後押ししているとはいえ、RTX 2060は“x60番台のGPUとしては”これまでになく強力であると言えるだろう。

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