●基地局は他キャリアより圧倒的に少ない
決算会見でも紹介されたが、楽天は総務省に提出した書類で、2020年3月までに3422局、2026年3月までに2万7397局という計画をかかげている。
一般的に聞けば「全国に2万7397局もつくるなんてすごい」と思うが、ソフトバンクが20万局以上を敷設して全国でネットワークサービスを提供しているという事実と比較すると、いかに楽天の数が少ないかというのがよくわかる。
ただソフトバンクの場合は900MHzというプラチナバンドもあれば、1.7GHzや3.5GHzとなった周波数もある。楽天は1.7GHzのみであるため、一概に比較できるものではない。
ちなみに2.6GHz帯を使うUQコミュニケーションズは2017年2月現在、WiMAX2+の基地局を全国3万局でサービスを提供している。
業界関係者は「都内にあるビルの屋上はすでに基地局でいっぱいで、新たに場所を探すのは既存キャリアでも難しい。楽天がどのように基地局の要地を確保していくのか、お手並み拝見といったところ」と語る。
少ない設備投資額と基地局数で、いかに大手3キャリアに戦いを挑むのか。東京23区、名古屋市、大阪市という大都市でどれだけつながるネットワークを構築できるかが、楽天にとっての最初の課題と言えそうだ。
この連載の記事
-
第196回
トピックス
F1の裏に“レノボ”あり 500TBのレースデータを高速処理 -
第195回
トピックス
格安スマホ、キャリアより「シンプルで安い」とふたたび注目 -
第194回
トピックス
中国スマホメーカー、日本への攻勢強める 格安折りたたみスマホで勝負 -
第193回
トピックス
ドコモが狙う“スマホの次“ iPhoneから「Vision」の時代へ -
第192回
トピックス
KDDI「povo」世界進出へ “黒子に徹する”新ビジネスとは -
第191回
トピックス
スマホ基地局を安くする ドコモとNECが世界展開する「オープンRAN」とは -
第190回
トピックス
KDDI対ソフトバンク “快適な5G”競争に本気出す -
第189回
トピックス
ドコモはユーザーの期待を裏切らないよう、品質改善に資金をつぎ込んでいくべきだ -
第188回
トピックス
楽天・三木谷氏、モバイルの次は“AI” アマゾンとの違い強調 -
第187回
トピックス
能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に? -
第186回
トピックス
ソニーのXRは圧倒的に解像度が高かった アップルと違い、クリエイターに特化した作りに - この連載の一覧へ