性能もすごいが消費電力もすごい
Coffee Lake
最後がCoffee Lakeの話題だ。もう加藤勝明氏のレビューが上がっているのでご存じの方も多いだろう。性能は確かにぶっちぎりだが、消費電力もぶっちぎりで、運用コストを考えると悩むところではあるが、このあたりは好みの話なのでおいておく。個人的にはよくここまで性能を引き上げたと思う。
ただそのCoffee Lake、初回出荷数量が著しく少ない。日本は10月5日の全世界の発売日にまとまった数量が確保できないという理由でか、発売日が後送りになるというおまけまでついてしまった。その発売日、アキバ取材班のドリル北村氏によれば10月27日説と11月23日説があり、ショップ間では高度な情報戦が繰り広げられている模様だ。「なのは」かよ。
それはともかくとして、消費電力の増加にともない、Coffee LakeのLGA1151v2では、信号線に関しては従来のLGA1151と同じだが、RSVD(予約)ピンが46ピンから25ピンに減り、VCC(電力供給)が128ピンから146ピンに、VSS(GND)が377ピンから391ピンに強化されている。
これがCoffee Lakeで従来のIntel 200シリーズチップセットが利用できない理由であり、逆に言えばIntel 300シリーズチップセットでは、BIOSのアップデートさえすれば従来のKaby Lakeが利用できるように思えるが、このあたりは確証はない。
また、同じCoffee Lakeでも、消費電力の少ないモデルに関しては、これもBIOSアップデートがあればひょっとするとIntel 200シリーズで動作するかもしれないが、こちらも現時点でははっきりしない。
製品ロードマップとしては、Core i7/i5/i3の一部モデルのみが先行発売になった形で、その他のモデルと省電力版(Tシリーズ)などは全部後送りである。またPentium/Celeronについても2018年以降になるのは間違いなさそうだ。まずは14nm++プロセスの歩留まりを高めるのが先で、それまでの間は供給不足が続きそうである。
PentiumがPentium Goldに改称
Gemini Lakeは2018年投入が明確に
ちなみインテルは10月3日に製品変更通知を出し、従来のPentiumをPentium Goldと改称することを発表した。影響を受けるのはPentium G4560/G4600/G4620の3製品。現時点ではark.intel.comには反映されていないが、製品ページ(たとえばG4560)ではもう反映されている。
別にスペックが変わったと言うわけではなく、単にブランドの変更であるが、これが今後SilverやBronzeまで増えるかどうかはわからない。可能性としてあるのは、AtomベースのPentiumの区別、あるいはCeleronブランドの廃止あたりだろうか? どちらかというと前者の可能性が高いように思う。
そのAtomベース、次期製品であるGemini Lakeは2018年投入が明確になった。詳細ははっきりしないが、以下の情報が伝わってきている。
- マイクロアーキテクチャーはスーパースカラー/アウトオブオーダーで4命令同時発行のGoldmond Plus(Goldmontそのものは3命令同時発行)になったことで、IPCを10~15%改善
- 内蔵するGPUは第9世代で18EU構成
- Core iシリーズと同じ、HEVCなどのハードウェアエンコードを搭載
ただCPUコアを強化といっても、本質的に10WのTDP枠なので、そう急激に性能が上がるとも思えない。あくまでも既存のタブレット向けなどに、若干性能(どちらかというとGPU性能)を強化した、というあたりだろう。
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