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アスキー的パソコン大解剖 第59回

NVIDIA GTX 1660 Tiの性能をベンチマークで確認 価格3万円台の評価は? (1/4)

2019年03月25日 17時00分更新

文● ジサトラショータ ベンチマーク●加藤勝明

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 2月22日、Turingアーキテクチャを採用したNVIDIAの新GPU「GeForce GTX 1660 Ti」が発表、即日販売開始された。性能的にはさきごろ発売の「GeForce RTX 2060」よりやや下、言わば新世代のミドルクラス帯であり、リアルタイムレイトレーシングやDLSSを必要としないコスパ派のユーザーにとっては待望のGPUと言えるだろう。

 この記事では、そんな新GPUの最新情報を整理しつつ、ベンチマーク結果や販売中のモデルを紹介する。

RTX&DLSS機能を持たない「GTX」シリーズの後継品

「ROG-STRIX-GTX1660TI-O6G-GAMING」

 昨年の販売開始から評価も落ち着いてきたNVIDIAの「RTX」シリーズだが、話題の中心になっていたのは、どちらかといえばその純粋な描画性能というよりは、内蔵するRTコアにより実現した光線のトレース描画「リアルタイムレイトレーシング」や、深層学習向けのTensorコアをアンチエイリアスに活用する「DLSS」といった新機能に関するものが多かったように思える。これらの機能は「Metro Exodus」などの対応ゲームにおいて画面描画・パフォーマンス改善に大きな効果を発揮するものの、対応ゲームをプレイしない場合は専用ユニットであるRTコアとTensorコアを常時遊ばせることになるため、その点において賛否が分かれていた。特に大作ゲームをプレイしないユーザー層の「RTコアとTensorコアを省いた製品が欲しい」という声は早くから聞こえており、実際にそうした製品が登場するという噂は絶えなかったが、このタイミングでようやくGTX 1660 Tiが登場したというわけだ。

 GTX 1660 Tiは、RTX 2000シリーズと同じく最新のTuringアーキテクチャで設計されていながら、RTコアやTensorコアを搭載していないのが最大の特徴だ。製品名を一見するだけで分かるが、これまでのコンシューマー向けのTuringアーキテクチャ搭載製品で使用されてきた「RTX」というシリーズ名は使用されず、あくまで従来の「GTX」の名が与えられている。今後は、RTコアとTensorコアを搭載した(=RTXテクノロジーを利用できる)製品が「RTX」、どちらも搭載しない製品が「GTX」として、平行して販売されていくということだろう。「1660」というモデルナンバー自体は前世代の「GTX 1060」の後継であることを示し、これまでのシリーズで基本的に変わらなかった100の位が更新されるというやや珍しい形を取っている。2060にしてしまうとRTXシリーズと被るため、やむを得ない変更という印象だが、やや分かりにくいため気を付けたいところ。

GTX 1660 Tiと比較対象のスペック

NVIDIAの資料。最新のシェーダーを使ったゲームほど、GTX 106との性能差が大きくなることを示している。

 主なスペック面ではCUDAコアが1536基と、GTX 1060の1280基に比べれば多めだが、RTX 2060の1920基よりはやや少ない。そのぶん、コアクロックやブーストクロックはRTX 2060よりも高めに設定することで性能のバランスを取っており、TDPも約40W低く抑えることに成功している。ビデオメモリーもGDDR6化し、容量はRTX 2060と同じく6GB。近年は6GBを超えるビデオメモリーを使用するPCゲームも出てきているものの、容量不足でパフォーマンスに影響が出るケースの多くはWQHDや4Kといった高解像度でプレイをする場合に限られる。フルHD解像度でのPCゲームプレイを想定しているGTX 1660 Tiでは大きな問題はないが、最新のビッグタイトルではフルHD環境でもメモリーの使用量が増加傾向にあることは頭に入れておきたい。実性能は前世代のGTX 1070に近いが、CUDAコアに改良が加えられているため、最新のシェーダーを活用したゲームであればよりパフォーマンスを出しやすいのが特徴だ。このあたりは後半のベンチマークでも言及する。

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