8月の新製品発表ラッシュを経て9、10月に実際に新製品が投入され、一応一段落した感のあるインテル製品。厳密にはCannon Lake製品の投入がまだではあるが、このあたりで一度ロードマップを更新し、新情報をまとめておきたい。
Kaby Lake Refreshの投入で
Cannon Lakeまで時間稼ぎ
まずの第8世代Coreシリーズについてだが、まとめると以下の3種類が混在することになる。
- 10nmプロセスを利用した、モバイル向け(Cannon Lake)
- 14nm++プロセスを利用した、デスクトップ向け(Coffee Lake)
- 14nm+プロセスを利用した、モバイル向け(Kaby Lake Refresh)
通常このロードマップ連載ではデスクトップのみ扱っているので、モバイル向けはあまり細かく紹介していない。いい機会なので、今回細かく触れてみたい。
まず本来なら10nmプロセスに基づくCannon Lakeのサンプル出荷がそろそろ始まるはずだった。最近は「本来」というがいつの「本来」なのかわからなくなりつつあるのだが、少なくとも昨年の今頃は、まだCannon Lakeが2017年内量産出荷の予定だったことは間違いない。
ところがこの10nmプロセスが予定より遅れるという見通しが出てきたことで急遽Cannon Lakeまでの中継ぎが必要になった。
ここで問題になったのは構成である。従来、35W/45W枠の製品については、最大4コアのKaby Lakeを投入していた。たとえばCore i7の場合、7700HQ/7820HQ/78820HK/7820HQ/7920HQの5つがラインナップされているが、いずれも4コア/8スレッド構成になっており、こちらは問題なかった。
問題はTDPが15W/28WのUシリーズの方である。こちらは動作周波数を下げただけではもちろん追いつかないため、2コア/4スレッドにすることで対応していた。
ただCore i5グレードはともかく、Core i7グレードではさすがに非力という声が聞こえてきていた。AMDのRyzen Mobileは4コア/8スレッドと想定されており、これが15WのTDP枠でリリースされることが予定されているため、2コア/4スレッドでは勝負にならない。
もともとCannon Lakeの世代ではモバイル向けの4コア化が規定路線であり、これでRyzen Mobileを迎え撃つ予定だったのが、Cannon Lakeが遅れてしまったことでこの予定が狂ってしまった。
といっても、手持ちの弾はあまりない。Coffee Lakeは後述の通りおそろしく消費電力が上がるので、モバイル向けには到底使えない。となるとKaby Lakeをどうにかするしかない。結果、4コアのKaby Lakeをそのまま流用する形で新しいUシリーズをラインナップすることになった。これがKaby Lake Refreshである。
このKaby Lake RefreshはCore i7-8550U/8650UとCore i5-8250U/8350Uの4製品である。
Core i5についても4コア/8スレッド構成になっており、違いは動作周波数と3次キャッシュ容量(8MB vs 6MB)だけなのは、Ryzen 5グレードのRyzen Mobileの性能を上回れるようにという配慮と思われるが、逆にインテルの中でCore i7とCore i5の性能差が縮まってしまうという問題を抱えた。
おそらくはワンポイントリリーフなので今回はあえて目をつぶった形で、Cannon Lake世代ではこのあたりがまた変わるのではないかと思われる。
余談だが、Kaby Lake Refreshはパッケージそのものは42×24mmのFCBGA 1356で、これは従来のUシリーズと同じである。したがって、Kaby LakeのHシリーズ(こちらは42×28mmのFCBGA 1440)をそのまま流用したわけではなく、従来のUシリーズ用のパッケージに載せ直した形である。
またeDRAMを搭載したSKUは存在しないため、Iris Graphics搭載SKUはこの世代ではないことになる。つまりグラフィック性能に関してはむしろ落ちているわけで、それをよしとするほど追い込まれていると見ることもできる。
また、第7世代のeDRAM未搭載のUシリーズ製品と比較しても、動作周波数が1GHzほど落ちており、シーンによっては従来より性能が下がることも考えられる。
加えて言うと、なぜかKaby Lake Refreshでは最大ターボ・ブースト周波数が大幅に引き上げられている。この結果として、熱設計そのものは従来の15Wのもので動作するが、電力供給に関してはピーク時に従来より多めの電力を供給する必要があり、これもあって再設計が必要とされるそうだ。
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